『ゲームセンターあらしと学ぶPython』を読んだ
実はPythonのとても古いユーザーだった。
僕が2000年ごろからしばらくPoser(というソフトがあるのだ)にハマりにハマっていたとき、Poserが実装していた拡張ツール用の言語がPythonで、またモデラーのメタセコイアにもPythonが採用されていたので、ずっとPythonを使っていたのだ。
そのあとしばらくして使う機会がなくなっていたのだけどオライリーから出版された『退屈なことはPythonにやらせよう』という本を読んで、最近のPythonのライブラリの充実ぶりと使い方を知って、Anacondaをインストールして使うようになった。
これがまたVS codeと組み合わせると、実にイロイロ書きやすくて、ちょっとしたツールを書くのにやたらとPythonを使うようになっていた。
excelからナニからともかくpytyonでイロイロできるのである。あまりに便利なもので、ともかくチョコチョコ使う。
ところで余談なのだけど、上の本、自分が買ったのは初版で、なんと第二版になるとは驚きだ。
もう一つ余談を書くと、自分がちょっとしたテストしたりイロイロやるのに使う言語は3つあり、マイナーだけど楽しい”small basic”とPython、そしてプログラムはほぼかき捨てだけど、文字列処理をやりたいときにはperl(正確にはstrawberry perlだけど)。
と、そんなわけでPythonを使っていたのだけど、そこに登場したのがなんとすがや先生の『ゲームセンターあらしと学ぶ プログラミング入門 まんが版こんにちはPython』。
しかも、プログラミング入門として40年前のBASIC入門のようにPythonを扱う…というのだから、もうこれは読んでみるしかない! と買ってみた。
なんだか、どこにも目次が出ていないようなので、下に目次を出しておくけれど、かいつまんで説明すると、第1部がwindows上でPythonを動かして、超簡単なプログラムを書く。第2部がキャラクタウィンドウで簡単なジャンケンゲームを作る。第3部がtkinter(pythonの標準的なGUIライブラリ)を使って、簡単なスカッシュゲームを作る、って構成になっている。
遥か遠い昔にあったBASICを使って簡単なゲームを書くまでの入門書と構成的には、ある意味全く同じ本だ。
正直、僕は、いきなりAnaondaインストールして、はいはいVS Codeで書きますよーなんて、全くこの本がターゲットとしている読者層から外れている人だけど「ああ、この手の入門書ってのはなくなったタイプで、これはいい本と言えるなあ」と思った。
というのも、例えば日本で一番「入門書」や「入門」が多いと思うunityあたりを例にとると、ともかくこの手の入門書は、複雑なツールの使い方に終始することが多く「プログラムって何で、プログラミングって結局何よ?」という説明にはなっていないことがほとんどだ。
“Hello, World!”の次の説明が3D ObjectにScriptをアタッチして、こう書きましょう…では、モニョってしまうというものだ。
まあC#の仕様とgameobjectの関係とかイロイロ考えれば、そりゃあそこはC#の教科書読んでくれよって気持ちになるのはわかる。
ところが、この本は良くも悪くもPythonを使って、極めて単純なプログラムを作ることでプログラムの考え方の基本(ロジック)を教えることに終始している。だからいい本だなあと思ったわけである。
“Python”と書かれているけれど、どちらかというと”Pythonを使ったプログラムというものの考え方を教える本”なので、ちょっとタイトルとズレていませんか? とは思ったけれど、プログラムの勉強をしてみようと思った時、Pythonは自動化ツールとしてexcelから何から本当に簡単に操作できるので実用性も高いし、上に出した『退屈なことはPythonにやらせよう』と合わせると、結構いろいろできるようになるんじゃなかろうか、と思ったのであった。