FF13-2をやって思ったモロモロのこと(6)
FF13-2を(一応)最後までプレイして、ものすごくいろいろ思うことがあり、ちょっといろいろ書きたいのだけど、FF13-2について書くためには、疑いもなくFF13から話を始めないといけないので、そこから始めたこのシリーズ。
ようやくFF13-2にたどり着いて、あと2回ぐらいで終わるつもり。
■第1回
■第2回
■第3回
■第4回
■第5回
今回は第6回。FF13-2の3回目で、あと1~2回で終わるはず。
実はこのFF13の話とP4Gのレビューをまとめた切り口があって、冬コミで出すつもりの本…「JRPGの間」って仮題がついてたりするのだけど…まあ、ともかくこれがまとまらないと本にならないw
前回はムービーとQTEについて取り上げたわけだけど、今回は「一本道じゃなくなったマップ」について。
ところで、書いておく前に、一度書いたことだけど、もう一度書いておきたい。
一本道は、FF13をけなすためにやたら使われた言葉だけど「一本道のどこが悪いのか?」
世界の広がりを感じ出せたり探検することがメインならば、どちらかというと広いマップにクエストが散在する形式がいいが、一つのストーリーを追っていく構造のゲームで一本道(しかもあとで書くが一本道ではなくなる)なのはなんらおかしいことじゃない。
例えば、世界中で絶賛されているビッグブランドFPSやTPSの大半は、基本は一本道でマップ上に攻略要素が少々あるだけだ。それを一本道と文句を言う人がいるかというと、いないだろう。
TPS(やFPS)では途中でちょっとした広めのマップになっていることが多い?
FF13だって普通にある。
TPS(やFPS)とRPGは違う?
違う理由なんてどこにもない。
RPGが一本道であってはいけないルールなんてない。一本道であることは、なんら貶されるポイントでもない。これを貶す人間は「RPGには一本道ではないマップが必要だ」と理由もなく思っているだけだ。
それに、前に書いたが、シリーズの中でFF10では、すでにワールドマップを廃止し、(ほぼ)こういう構造を取っていて、別に新しいスタイルではない。
では、どうして文句を言われたのか?
正直、理由はわからない。
実際にプレイすればわかるが、前に書いたとおり、一本道は気になるポイントではなく、むしろそこで展開されるシナリオだの、オートクリップだの、どういうつもりでつけたのか全くわからない突然現れるヘンテコな乗り物だとか、全然意味がないパズルになってないアクションのがはるかに気になるわけで、この一本道批判ってのは「本当にプレイした人間からの批判なのか?」と疑問になるあたりだ。
では、なぜ13-2ではシーケンシャルなマップではなくそうとしたのか?
まあ批判を気にしたのと、FF13の11章が評判が良かったからだろう。
ぶっちゃけた書き方をするならFF13の中で11章で降りるグランパルスでもストーリー自体は一本で突っ走っていけるのだけど、結構広い領域が周囲にある、ものすごくゲーム臭くて、そして僕に言わせるとFF13の中で最もつまらない場所なのだけど「全部がこれなら良かったのに」というアホくさい言葉を言われまくって、信じてみましたってあたりだろう。
ところが、ここから先に問題が現れる。
いまどきのゲームで広いマップを作るのは恐ろしく大変だ。
例えば有名なオープンワールドでも大半は(長年サービスされているMMOなどの特別な例外を除いて)大きなものでも30キロx30キロ程度のサイズで、せいぜいちょっとした都市一つとかそんな話になる。そして、もちろん言うまでもなく「あちこち」を作るのはとても大変で、手間も金も大量にかけられるAAAタイトル以外はとてもやれた話じゃない。
そしてFF13は間違いなくAAAタイトルだけど、FF13-2はAAAタイトル並に時間をかけられたとは言い難いし、金もまず間違いなくかかってはいない。むしろミッションとしては「FF13でかけた金を回収せいや」というタイトルなのは容易に想像出来る。
言い換えるなら、FF13ー2では予算と時間の制約があるなかで、それなりに自由に歩き回れるゲームを作らなければいけない状況になったのは、ほぼ間違いない。
もちろん、これは推測だけど合理的な推測なのも間違いないと思う。
となると、使い回ししないととてもマップが予算に入らない。
そこで出てきたのが「タイムトラベル」なのだろう。
タイムトラベルなら同じ場所を時代を変えて使い回し出来る。使い回すとき、もちろん部分的な変更は必要だけど、ライティングとか、部分的にモデル変えるとか、そういう手段でかなりなんとかなる。言い換えるなら、金ががかからない。
実際、FF13-2では大いに使われており、作るのに時間がかかる場所は何度も(最大4~5回)使い回されている。実際やっている方法は、夜・昼(ライティングおよび一部テクスチャの変更)、あと一部モデリングの変更によるマップの違い(崩れているとか)して、使いまわすって方法だ。
では、これは効果があったのか?
答えは「ものすごくあった」だ。
数を数えるとわかるのだけどテクスチャ&モデルアセット(壁紙と骨組みと読み替えると分かりやすい。これ1セットで一つのマップだと思えばいい)は、多めに数えて12~14程度で、差分込みで大きく水増していて、FF13と比べると圧倒的に少なくなっている。
またタイムトラベルになったのには、あくまで推測だけど、もう一つ理由があると思われる。
これは予算の都合とはあまり関係ないのだけど、13-2は13の世界を使って(言い換えるならリソースを流用して)作らなければならない。
ところが13は、世界設定自体は神様だの神話だのがエラク凝って作られていて壮大だけど、実際のゲームの舞台はパルスとコクーンという二つの世界で、しかもパルスの方は1000年ほど前から人がいなかった(ほとんどが荒れ地)って設定だ。
つまり敵や話のネタが少ない…すなわち、お話を作るのがスゴく難しい。
僕だって「13-2作れ」と言われたら、途方にくれる。
タイムトラベル以外の方法として、ぱっと思いつくのとしては、例えばパルスの地下に眠っていたファルシが実はいて、こいつが目を覚まして大騒ぎとか、神様の世界から何か異次元侵略が始まって大騒ぎとか、こんな方法もあるにはあるけれど、どちらも大量の新規リソースが必要で、予算を押さえるとか、そういう話と無縁になってしまう。
と、そんな様々な理由があって、タイムトラベルになっていると思われるのだけど、このFF13-2で一本道感覚を解消しつつ、予算を抑えるために作られたマップ自体のデキはとてもいいと思う。
実際、プレイして予算の制限ははっきり感じるけれど(いや、この制限が分かるのも結構プロの話で、普通はわからないかも)、質は高いし、特に最終ダンジョンのマップはやり過ぎ感はあるけれど、FF13の最終ダンジョンよりどう見ても面白くて、スゴくて、とてもいいダンジョンだったと思う。
でも「自由に歩き回れます」といったところで、しょせんは一つのちょっとしたブロックの中を歩き回るだけで、だからゲーム全体の自由度が高いなんて話にはならない。結局、FF13-2のゲームループは
2)問題を解決するために、ポータルに戻り、違うマップに。
3)問題が解決されたら、次の所へ。
本当にこれの繰り返しで、時間が掛かるようにマップの塗りつぶしいれたり、コレクション要素入れたり、まるで世界観から外れているカジノが入ってたりするだけで、寄り道したから「どうだ」だ。「二つのマップを行き来しようが、途中で寄り道出来ようが、お話は一本道だろう」と思ってしまう。
一本道と批判した連中はお話が一本道でも、複数のマップに行ければそれで満足なのか? と皮肉の一つも言いたくなる状況だし、しかもタイムトラベルにしたために世界設定はグチャグチャで、そして最後で取り上げるだろう、シナリオ上のひどい少々許し難い話と繋がってしまっている。
つまり「一本道と言われたのを気にして、歩けるようにしたこと自体には罪はないし、マップのデキもいいけれど、これを実現するためにやったことは、結果的にはゲーム全体をとても壊す方向に進んでしまった」と僕は思うのだ。
というわけで、次は戦闘、それでシナリオの話をして終わりになるんだけど、最後の方は超ネタバレになると思われます。ご了承ください。
1件のコメント
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ちょっと本筋と関係ない質問なんですが、FF12についてはどう考えていますか?
FF12はまさに広大なマップでクエストが散在しているAAAタイトルのゲームです。
FF13自体は未プレイなのですが、
発売当時13の感想をネットで拾い、とても対照的な印象を感じました。
(未プレイなのでかなり漠然としてですが…。)
FF12自分は大好きなんですけど、
こっちらも世間の評判はあまり良くないですよね?
なので13-2が13の裏返しのように
FF12の評判もFF13に影響をあたえたのかなーと。