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F2Pの最初の3分間2016 - (1)
F2Pの最初の3分間におけるディレクティブチュートリアルの作り方(主にゲームロフト的な)を説明して、約2年経った。
で1年前の冬コミで記事をまとめた『F2Pの最初の3分間』という同人誌を出して、続編で夏に『F2Pの最初の90日間』を書いたのだけど、その中で1年も経ったら、古い技術になるだろうと書いた。
そのとおりで、既に古い技術になったという感慨を持っている。

■F2Pの最初の3分間
→ (1)(2)(3)(4)
■桝田方式によるユーザーストーリーの作り方
→ (1)(2)(3)(4)(4.5)(5)(6)(7)

どうして古くなったのか?
それを原理的に考えるためには、もそもDirective Tutorialをなぜ作るのか? が話のモトになる。


1)F2Pの世界では極めてプレイ障壁が低い。なんせタダ。DLするだけ。
2)それは止める障壁も低いということである。なんせタダ。もったいない=0
3)加えてF2Pの世界では、ユーザーがゲームを知っていると期待できない。

だから
●世界観をわかりやすく教える
●コアゲームループを一周回す
●辞めにくくなるように、ユーザーにとってわかりやすい財産を作る

この3つを達成することが必要だ。
上記3つを達成することで

●世界観を理解してもらうことで、ユーザーの置いてけぼり感がなくなる(はず)
●コアゲームループを一周することで、ユーザーがゲームの面白さを理解する(はず)
●財産が出来ることで辞めにくくなる(はず)

だから、3つの目的を持ったディレクティブチュートリアルを最初の3分にやらなければならない。
また、どうして3分なのかというと、

●ゲームロフトにチュートリアルが4分を超えると、ユーザーの離脱率がダダ上がりするというデータがあった
●ズーニンの法則(初動4分の法則)
●シド・フィールドのシナリオ論における「シナリオのセットアップ」は5分でやる経験則

という3つの観点からの論拠があるんだよ、というのが2014-15年のF2Pの最初の3分間で書いたことだった。
上記の基本原則は、今でも正しいと思っている。

ではなぜ古くなったと感じるのか?

最大の問題は、スマートフォンのゲームは途方も無い速度で複雑化していて、3分でコアゲームループを一周するのが極めて困難になったからだ。

一昔前のスマホF2Pゲームのコアループは極めて単純だった。
例えばKingの『Candy Crush Saga』などの3マッチパズルや、SuperCellの農場ゲーム『ヘイデイ』ならば課金での短縮まで含めて、3分あればオツリが…来るのはさすがにウソだけど…まあクエストなどと組み合わせれば、3分でコアループを説明するのは難しくなかった。

それと比較した時、15~16年に出たゲームは適当に並べてみても『レイブン』、『マビノギ・デュエル』、『ミニオンズパラダイス』、『BLADES OF BRIM』、『RAYMAN ADVENTURES』、『BattleHand』などなど、ともかくどれもこれもコアゲームメカニクスそのものが複雑で、ゲームの説明をするだけで3分なんて簡単に使ってしまう。

何度でも説明するが、メカニクスは「ルール」の拡張版に近い。コンピュータゲームでは環境は通常はマップであったりユニットだったりするものにまでルール(プログラム)が組み込まれ、かつ「ルールを探すこと自体がゲーム」なんてものまで成り立つために、従来の「ゲームルール」では表現しきれないのでメカニクス、という言葉を使う。日本語には対応するいい言葉がないものの一つ。

ところが前述したズーニンの法則やF2Pの原則は変わらない。すなわち最初の3分の重要性は変わっていない。しかも原則的にF2Pの条件も変わっていない。
だからユーザーは簡単に辞めるし、ゲームを知らないことを前提にしなければならない

だから、相変わらず、いやそれどころか更にゲームの導入部は重要になっているし、チュートリアルも重要になっていると言える。
では、この問題を解決するために、今、スマートフォンのゲームはどのような手段を使っていくべきなのか?
について、最新のゲームのトレンドなどを例に取りながら書いていこうというのが、2016版のF2Pの最初の3分間の話なのである。

仕事の合間を縫って、続く。
|| 21:20 | comments (0) | trackback (0) | ||

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