2019-01-11 Fri [ ゲーム作りライフ ]
さあにんさんこと、山本直人さんからfacebookで「BEEPに載せた私のwebの文章の感想を聞きたい」と言われてしまった。
まあ、さあにんさんに言われては書くしかないなというわけで、感想をば。
最初はfacebookだけの載せておこうかと思ったのだけど、いろいろ考えて、誰でも読めるこのブログに載せておくことにした。
オリジナルのBEEPのリレーコラムは以下のリンクでドウゾ。
https://www.beep-shop.com/column_entry/23767/
内容を簡単に説明すると、元ファミマガ編集長の山本直人さんが、どのようにして編集になり、ゲーム業界に関わってきたのか、そして編集者としての考え方はこうだ、みたいな話で、70-80年代当時の高知でのマイコン(パソコンとは書かない)事情、さらに自分もさんざん遊んでいた時代の新宿のゲームセンター事情、加えてゲーム雑誌勃興期などがうかがい知れて、とても楽しい。
面白いエッセイなので、ぜひオリジナルのテキストを読んでいただきたいのだけど、実は僕が一番面白いと思ったのは、下の一節だった。
続きを読む▽
まあ、さあにんさんに言われては書くしかないなというわけで、感想をば。
最初はfacebookだけの載せておこうかと思ったのだけど、いろいろ考えて、誰でも読めるこのブログに載せておくことにした。
オリジナルのBEEPのリレーコラムは以下のリンクでドウゾ。
https://www.beep-shop.com/column_entry/23767/
内容を簡単に説明すると、元ファミマガ編集長の山本直人さんが、どのようにして編集になり、ゲーム業界に関わってきたのか、そして編集者としての考え方はこうだ、みたいな話で、70-80年代当時の高知でのマイコン(パソコンとは書かない)事情、さらに自分もさんざん遊んでいた時代の新宿のゲームセンター事情、加えてゲーム雑誌勃興期などがうかがい知れて、とても楽しい。
新宿のビッグキャロットに業界連中(ナムコ・セガ・タイトー・カプコン・ハドソン・スクウェアなどなど)で集まって、飲み会行って朝の5時まで飲んでいたとか、そんな時代が30年前にあったなんてことを懐かしく思い出してしまった。イヤホントに。
面白いエッセイなので、ぜひオリジナルのテキストを読んでいただきたいのだけど、実は僕が一番面白いと思ったのは、下の一節だった。
まだまだ「マニア」さが抜けない私は、宮本さんにひとつの質問を投げます。
「スーパーマリオのハテナブロックには、なんで「?」が描いてあるんですか? (隠しキャラにしなかったんですか?)」
宮本さんの回答。
「だって「?」って描いてあれば、みんな叩くじゃないですか」
この言葉が私の「サードインパクト」であります。
「スーパーマリオのハテナブロックには、なんで「?」が描いてあるんですか? (隠しキャラにしなかったんですか?)」
宮本さんの回答。
「だって「?」って描いてあれば、みんな叩くじゃないですか」
この言葉が私の「サードインパクト」であります。
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2018-03-20 Tue [ ゲーム作りライフ ]
海外ゲーム業界と日本とではかなり用語が違って混乱する…という話はまあまあメジャーになってきたのだけど、最近、自分の身の回りにあった話をメモ代わりに残しておきたい。
ぶっちゃけるなら、ボヤきである。
僕が勤めている会社は中国は福州に本社があり、日本スタジオでゲームデザイナーが欲しいというような要望を出すと、世界中から(主に日本からになるのは言うまでもない)ゲームデザイナーを集めてくれる。
で、そのCV(職務経歴書。日本だと履歴書になっちゃう)を見て、イケそうな人を選び、海外ならskypeなどでインタビューを行い、日本ならskypeだったり、それとも会社に来てもらって、次にテストを行い…というようにして採用は進んでいくのだけど、このプロセスで困るのが職業の呼び名の違い…ひいては、職務内容の違いだ。
日本ではデザイナーというと、だいたい絵を描く人ってことになるけれど、海外では同じ職業はアーティスト。
これが日本国内では統一されていればまだいいのだけど、TA=テクニカルアーティストになると、突然日本でもアーティスト。いったいどうなってんだ? 開き直って、テクニカルデザイナーにしろよと言いたくなる。
とそれはともかく、では海外ではデザイナーはどんな仕事なのか?
海外では頭にレベルとかゲームとか最近だとゲームエコノミーとかUIとかUXとかVisualとか、ともかくまあ担当する分野の単語がひっつく職業だけど、基本的には、なんかを設計する人と考えればいい。
だからレベルデザイナーならレベル、すなわち面を設計する人になるし、ゲームデザイナーならゲームのメカニクスを設計する人になる。
ところが、日本ではデザイナーには、海外でいうアーティストが当てはめられている。
ではデザイナーはどこに?
というとプランナー。
これがどこから出てきたのか定かではないのだけど、もともと昭和の古いゲームの会社では、こういうコトをやる部署を企画と呼んでいたので、そこからプランナーになったのかな…とか思っている。
そんな余談はともかくとしてプランナー=デザイナーならばいいのだけど、実は日本のゲーム業界におけるプランナーは外注管理だったり、予算管理だったり、それとも運営だったり、それともゲームデザイナーだったり。
海外でいうデザイナー系、プロジェクトマネジメント系、そして運営まで投げ込まれている、何が職務なのかさっぱりわからない、はっきり書くなら雑務だ。
正直、混乱の極みで「なんでこんなことなってんだよ」って言いたくなるのだけど、まあ、日本だけで仕事しているのならまだなんとかなる。
ところが、ここで海外スタジオの人間が人を採ろうとすると、大騒ぎが起こる。
「プランナーで募集すればいいのか?」
「いや、実はプランナーは…こんなんやらあんなんがあって」
「えええ、なんでそんなワケがわからんことに」
「いやまあ歴史的な理由があって」
「じゃあどうすりゃいいんだよ」
「応募要項で限定するんだよ、例えば運営経験3年みたいに」
「おかしいだろう、それ」
と、ひとしきりすったもんだがあったあと--
「応募あったぞ」
「あーこの人は運営系じゃないかなあ」
「えええええ、運営系じゃない形で募集したんじゃないのか?」
「運営にはゲームデザインの要素があるんだよ…」
正直、HR(人事)が暴れ出すので、せめて職業名ぐらいは統一して欲しいなあと思うのである。
ぶっちゃけるなら、ボヤきである。
僕が勤めている会社は中国は福州に本社があり、日本スタジオでゲームデザイナーが欲しいというような要望を出すと、世界中から(主に日本からになるのは言うまでもない)ゲームデザイナーを集めてくれる。
で、そのCV(職務経歴書。日本だと履歴書になっちゃう)を見て、イケそうな人を選び、海外ならskypeなどでインタビューを行い、日本ならskypeだったり、それとも会社に来てもらって、次にテストを行い…というようにして採用は進んでいくのだけど、このプロセスで困るのが職業の呼び名の違い…ひいては、職務内容の違いだ。
日本ではデザイナーというと、だいたい絵を描く人ってことになるけれど、海外では同じ職業はアーティスト。
これが日本国内では統一されていればまだいいのだけど、TA=テクニカルアーティストになると、突然日本でもアーティスト。いったいどうなってんだ? 開き直って、テクニカルデザイナーにしろよと言いたくなる。
とそれはともかく、では海外ではデザイナーはどんな仕事なのか?
海外では頭にレベルとかゲームとか最近だとゲームエコノミーとかUIとかUXとかVisualとか、ともかくまあ担当する分野の単語がひっつく職業だけど、基本的には、なんかを設計する人と考えればいい。
だからレベルデザイナーならレベル、すなわち面を設計する人になるし、ゲームデザイナーならゲームのメカニクスを設計する人になる。
ところが、日本ではデザイナーには、海外でいうアーティストが当てはめられている。
ではデザイナーはどこに?
というとプランナー。
これがどこから出てきたのか定かではないのだけど、もともと昭和の古いゲームの会社では、こういうコトをやる部署を企画と呼んでいたので、そこからプランナーになったのかな…とか思っている。
そんな余談はともかくとしてプランナー=デザイナーならばいいのだけど、実は日本のゲーム業界におけるプランナーは外注管理だったり、予算管理だったり、それとも運営だったり、それともゲームデザイナーだったり。
海外でいうデザイナー系、プロジェクトマネジメント系、そして運営まで投げ込まれている、何が職務なのかさっぱりわからない、はっきり書くなら雑務だ。
正直、混乱の極みで「なんでこんなことなってんだよ」って言いたくなるのだけど、まあ、日本だけで仕事しているのならまだなんとかなる。
ところが、ここで海外スタジオの人間が人を採ろうとすると、大騒ぎが起こる。
「プランナーで募集すればいいのか?」
「いや、実はプランナーは…こんなんやらあんなんがあって」
「えええ、なんでそんなワケがわからんことに」
「いやまあ歴史的な理由があって」
「じゃあどうすりゃいいんだよ」
「応募要項で限定するんだよ、例えば運営経験3年みたいに」
「おかしいだろう、それ」
と、ひとしきりすったもんだがあったあと--
「応募あったぞ」
「あーこの人は運営系じゃないかなあ」
「えええええ、運営系じゃない形で募集したんじゃないのか?」
「運営にはゲームデザインの要素があるんだよ…」
正直、HR(人事)が暴れ出すので、せめて職業名ぐらいは統一して欲しいなあと思うのである。
2017-09-23 Sat [ ゲーム作りライフ ]
電ファミの『なんでゲームは面白い』にゾンビに関する記事があり、とても面白い記事だったのだけど、その中で──
とあったのだけど、これについて議論したゲームロフト時代のヒトコマを思い出したので、twitterでも雑につぶやいたのだけど、もう少し詳しくメモ書きとして残しておきたい。
話は、今はなき(シャットダウンされたんだよ)ゲームロフトNZがまだピカピカだった2011年の冬の話になる。
記憶ではデザインディレクターに就任してすぐだったので、11月の真ん中あたりだったと思う。ともかくまだ英語が耳慣れず(ニュージーランドの英語は猛烈に早口)、苦労していた記憶がある。
続きを読む▽
「時間」と「空間」を表現するメディアである映画と、「時間」と「空間」を股にかけることができるゾンビは相性がいい。だが、ゲームとゾンビもまた非常に相性がいい。
とあったのだけど、これについて議論したゲームロフト時代のヒトコマを思い出したので、twitterでも雑につぶやいたのだけど、もう少し詳しくメモ書きとして残しておきたい。
話は、今はなき(シャットダウンされたんだよ)ゲームロフトNZがまだピカピカだった2011年の冬の話になる。
記憶ではデザインディレクターに就任してすぐだったので、11月の真ん中あたりだったと思う。ともかくまだ英語が耳慣れず(ニュージーランドの英語は猛烈に早口)、苦労していた記憶がある。
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2015-01-25 Sun [ ゲーム作りライフ ]
今では物理エンジンはunityやUEといった統合型ゲームエンジンが普及したおかげで使うのがとても簡単になったのだけど、これでカーレースのようなゲームを作ると、正しく動く車を作るのは実は超大変だって話をちょっと書いてみたい。
話は2007年に戻る。
2007年にメディアワークスを辞めるあたりで、韓国でPS2のゲームを作っている会社とつながりが出来、そこでカーレースを作ったのだけど、これが全オリジナルの物理エンジン+3Dエンジンのゲームだった。
で、これを作る時に、いろいろとんでもない目に会ったおかげで、物理エンジンは万能ではないし、問題だらけだって知ったわけだ。
続きを読む▽
話は2007年に戻る。
2007年にメディアワークスを辞めるあたりで、韓国でPS2のゲームを作っている会社とつながりが出来、そこでカーレースを作ったのだけど、これが全オリジナルの物理エンジン+3Dエンジンのゲームだった。
で、これを作る時に、いろいろとんでもない目に会ったおかげで、物理エンジンは万能ではないし、問題だらけだって知ったわけだ。
この物理エンジンを作ったヤツはRok Erjavec。
レンダリングエンジンも作り、さらにスクリプトエンジンも設計し…となんでも出来るオバケみたいに優秀なヤツで、そのあとUBIに入って、シンガポールに引っ越して、PC版のGhost Reconシリーズの3Dエンジンのディレクターになった。
あまりに優秀だったもんで、ゲームロフトのデザインディレクターをやってたとき、引き抜こうとしたらUBIとゲームロフトは兄弟会社みたいなもんだから、ダメだよって言われてガッカリ。
そのあと彼はCrytekに移り、現在テクニカルディレクターをやっている。
ホント優秀なんで、チャンスがあったらもう一度仕事をしてみたい人間の一人だ。
レンダリングエンジンも作り、さらにスクリプトエンジンも設計し…となんでも出来るオバケみたいに優秀なヤツで、そのあとUBIに入って、シンガポールに引っ越して、PC版のGhost Reconシリーズの3Dエンジンのディレクターになった。
あまりに優秀だったもんで、ゲームロフトのデザインディレクターをやってたとき、引き抜こうとしたらUBIとゲームロフトは兄弟会社みたいなもんだから、ダメだよって言われてガッカリ。
そのあと彼はCrytekに移り、現在テクニカルディレクターをやっている。
ホント優秀なんで、チャンスがあったらもう一度仕事をしてみたい人間の一人だ。
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2014-06-09 Mon [ ゲーム作りライフ ]
僕が本当にほんのちょっとだけ関わっているインディーズゲーム、"sumo boy"について。
去年の夏過ぎに linkedin で「インディーズに興味があるか?」とメールが飛んできたことから、この話は始まる。
メールを飛ばしてきたのは TAPRR スタジオの"Chris Laurent"ってヤツ。
僕は「あるある、でも俺、これから忙しいから spare timeはあんまないよ」と返事を返した。
それで聞いたタイトルが"Sumo Boy"で、これからレベルデザインをやるんだ付き合えないか…みたいに話は進んでいったのだけど、年末から年始にかけて、本当に忙しくて、あまり付き合うことが出来なかった。
そこらへんが残念なんだけど、開発は進んでいき、とうとう人様に見せられるようになり、kick starterまで辿り着いたワケである。
興味がある方、ぜひ⇒ Sumo boyのKick Start。
ちなみに1オーストラリアドルはだいたい95円なんで、100円で計算するとわかりやすい。
なお、日本語版もChrisは作りたい、って言っているので、ローカライズのお手伝いもしたいと思っている。
去年の夏過ぎに linkedin で「インディーズに興味があるか?」とメールが飛んできたことから、この話は始まる。
メールを飛ばしてきたのは TAPRR スタジオの"Chris Laurent"ってヤツ。
僕は「あるある、でも俺、これから忙しいから spare timeはあんまないよ」と返事を返した。
それで聞いたタイトルが"Sumo Boy"で、これからレベルデザインをやるんだ付き合えないか…みたいに話は進んでいったのだけど、年末から年始にかけて、本当に忙しくて、あまり付き合うことが出来なかった。
そこらへんが残念なんだけど、開発は進んでいき、とうとう人様に見せられるようになり、kick starterまで辿り着いたワケである。
興味がある方、ぜひ⇒ Sumo boyのKick Start。
ちなみに1オーストラリアドルはだいたい95円なんで、100円で計算するとわかりやすい。
なお、日本語版もChrisは作りたい、って言っているので、ローカライズのお手伝いもしたいと思っている。