アーケード&ファミコン版『アーガス』のエピソード

話はfacebookでの綾部和さんのこのポストから始まる。
綾部和さん
NMKで『エスパ冒険隊』などを制作。
1997年にミレニアムキッチンを創業。
『ぼくのなつやすみ』シリーズが有名。
■綾部さん
この記事に「ファミコンは足し算と引き算しかできません」と書いてあるけど、方法を知っていればそこそこ高速に掛け算、割り算ができるんだよ、と言いたい(笑まあ、大量に使う場合は僕も結果をテーブル化してたけど。
記事へのリンク
https://twitter.com/itm_nlab/status/1290973324760059909?s=21
計算方法
筆算でやる場合と同じことを2進法でやると速いです(×0と×1しかないので)。10進法の筆算でも下の段が0と1しかなかったら早いのと同じ。
まあ確かにそうで、ROM容量がない当時は全部テーブルってわけにもいかず、いかに高速な掛け算と割り算を実行するかは重要な技術の一つだった。
それでなんてこともなく、僕もコメントした。
■僕
シフトで良ければ掛け算も1命令…w
■綾部さん
偉い人にはそれがわからんのですよ(違う
ここまではただのネタ話だったのだけど、ここからビックリするような話になった。
■綾部さん
ついでに書くと、CPUが搭載される前の時代のゲーム機(ピンボールなど)はすべてリレー回路で組んでこれと同じような計算をやってたので、その時代を経験してるNMKのMさんがアーガスの基板に拡縮の機能つけたときも(専用チップがない時代なので)基盤にロジック組んでやってたんだけど、すごいめんどくさい設計も、彼にとっては当たり前の業務だったらしいです。
アーガスは1986年にリリースされたゼビウスの後追いゲームだったのだけど、当時としてはものすごく出来が良くて、ジャレコにしては! とマニアの間で驚かれたゲームだった。
それにこんなエピソードがあったとは!
それで思わずコメントを付けた。
■岩崎
へええええええええええ、アーガスの拡縮の話がこんなところで聞けるとは!!!
実はアーガスのアーケード版はファンだったんですw
だが、ファミコン版、お前はダメだ!w
と書いた僕に綾部さんの返事が以下。
■綾部さん
たしかファミコン版は完成するまでNMK社内のスタッフも見たことなくて「これはひどい」という評価でした。
僕はアーケードの開発中に面接受けて、リリース後に入社、その直後にファミコン版の発売だったので、あのひどい内容にはショック受けました(苦笑)
僕「これってどこが作ったんですか?」
上司「京都にト〇セという会社が(略
まあ、本当にファミコン版はまるで『アーガス』の魅力の伝わらないひどい移植で僕はスーパーがっかりしたのだけど、中の人もそうだったのか!
と思わず爆笑。
そして、さらに綾部さんは情報をくれた。
■綾部さん
アーガス、ファミコン版の発売時期を確認するためにwikipediaを見たら、アーケードのプロデュースもプログラムも坂本さんになってるし(笑)
坂本さんはサウンドのプログラムとBGMとSEです。
メインプログラムは「ルナレスキュー」とか「1942」の中里さん。
こうなっては、ブログに書いて残しておくしかない。そう思って聞いてみた。
■岩崎
ちとアーガスの話、ブログにまとめていいですか?
■綾部さん
はい。たぶん大丈夫です。
というわけで、こうしてこのポストが現れたわけである。
ところで、今では嬉しいことにアーケード版のアーガスを簡単に遊ぶことが出来る。アーケードアーカイブスのリンクをどうぞ。
PS4でもSwitchでも遊べるのである。



