イース通史(21):書き忘れたクイックセーブの話
あけましておめでとうございます。といっても、なーんも変わりませんが。
入れようと思っていて、忘れていたクイックセーブの話。
通史Ⅲの補章に入れる予定。
PCエンジン版の『イースⅠ・Ⅱ』はどんちゃんがクリア出来る、というのを絶対の方針として作っていた。
だから、やたらと細かく場合分けしてあちこちにヒントを入れているわけだけど、それだけではなく、他にもとても重要なことがあった。
それはセーブだ。
当時のCRPGの常識は『ドラクエ』が全盛時代なのもあって死んだときのルールが今の常識とかなり違い「死んだら、どこかで復活する。死ぬまでのものは全部残っていて、ちょっとしたペナルティとして何かある(『ドラクエ』はお金半分)」が常識だった。
1989年ごろの『ファイナルファンタジー』シリーズは『ドラクエ』を追いかける二番手グループのトップであったことは意識して欲しい。
当時のコマンド型CRPGは『ドラクエ』とその他だったのだ。
ところが『イースⅠ・Ⅱ』はどこでもセーブできる形式で(ハマりリスクがあるが、それはあきらめざるを得ない)、なおかつ死んだら、最後にセーブしたポイントがロードされる仕様だ。
これじゃあ、どんちゃんは「わぁ ボスだっ!」で突っ込み、速攻死んで「あっ! 最後にセーブしたのはいつだっけ!?」になるのは確定的だった。
どんちゃんはボスを見れば、喜んで即突進の男である。そこで用心深くセーブするなんてプレイが出来るようならそれはどんちゃんではない。
実際、ダルク・ファクトも見たとたんに大喜びでボードに飛び乗り「銀の装備がなければ」とダルク・ファクトに言われて「あーっ!」っと叫ぶような、そういうプレイを実際にやらかしている(絶対にそうなると思っていたので、ファクトにネタバレさせたわけだが)。
そして、そこで最後にセーブしたポイントはどこだろうか?
どんちゃんならどこでセーブするかなんて、想像もつかない。
前のボス(ヨグレス&オムルガン)を倒した直後でも驚かないぐらいだ。
つまり、どんちゃんがセーブをし忘れても救済する仕掛けが必要だった。
そこで入れたのがクイックセーブ。
セーブメニューを開いたり、それとも特定の扉に触るとセーブを行うためのビットストリームに現在の状態を保存しておき、コンティニューはそこからになるって仕様。
このクイックセーブが行われるとゲームオーバーになったとき、そこからコンティニュー出来るので、ボスの扉に触ったとき、クイックセーブを走らせれば、死んでもボスの扉の前からのスタートになるので無問題、というわけだ。
実際は下みたいな感じ。まあ、ジェノクレスで死ぬ人もそうそういないだろうが…w
あ、あと、この記事から、シリーズのサブタイトルを「イースⅠ・Ⅱ通史」から「イース通史」に変えました(;´Д`)
Ⅰ・Ⅱ通史じゃなく、Ⅲ・Ⅳまで含むようになってしまったので…
それから下はイース通史の委託です。通史ⅠはBEEPさん・とらさんともに通販は品切れなので、店頭でしか手に入りません。通史ⅡはBEEPさんは前の記事で書いた通りスペシャルペーパーつきます。
■PCエンジンmini 制作裏日記 通販
■イース通史Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・PLUS通販(BEEPさんではⅡ,Ⅲ,PLUSにはペーパーが付きます)
2件のコメント
コメントは現在停止中です。
どんちゃん、との出会いが無ければ、イース1/2はボスで負ければ何時間前だか分からないセーブデータまで戻され、ダルク ファクトは銀装備に思い至らなければ永遠に倒せず、ダームは最高レベルまでアドルを鍛えても最低限のアクション技術が無ければ倒せない…そんなゲームになっていたんですかね…
多くのゲームを遊んでいる人にとってはどってことない要素ですが、こういう事の積み重ねがイース1/2を現代まで名を残す名作たらしめたと思うと、非常に感慨深いです。
本当にそのまま移植したら1と2はバラバラのゲームにしてる…という根本の話はともかくとして、一番大きかったのは桝田さんと出会ったことです。
『凄ノ王伝説』の広告で会って、どういうわけか面白がってさくま先生を紹介してくれて、なぜかさくま先生も面白がってくれて、どんちゃんと小野ちんという当時の二大デバッガーに『凄ノ王伝説』をプレイさせて、それを目の前で僕に見せると言う事をしてくださったのです。
そのショックたるやどれだけ説明しても説明しきれないほどですがイースをスタートするときは「この人たちが遊べるゲームにしなければならない」というのは絶対になっていました。だから2本に分けるなんて選択肢はありえませんでしたし、わからないところには全部ヒントを入れるとか、自動でセーブされるとか、バランスとり直すとか、全部自分にとっては絶対に正しい判断で、一度も迷いませんでした。
もちろん、今でもその判断は全く間違っていなかったと思っています。