unityさんに招かれて講演しました

すこし間があいてしまいましたが、2015/11/1にunity テクノロジーさんに招かれてさせていただいた講演の内容です。
売り切りとF2Pの話(slideshare)
講演時にあった細かい間違いを修正して、しゃべりがなくてもある程度分かるように、コメントを付け加えてあるので、単体でも見てもそれなりになんとかなるんじゃないかと。ノートに自分のメモが細かく残ってて書きかけで捨ててるのとかあって、ウヒーな感じですが、それはオマケってことで。
もともとの講演の要望が「コンソール系のF2Pをやったことない人達に向けた内容」と言われたので「F2Pで課金とか言われたけど、よくわかんねえよ」って人向けにまとめたんですが、いざ講演してみたら、いわゆるソーシャル側の人の方が圧倒的に多かったという…
時代だなあ…と思いました。
同時に講演されたunity adsの資料が実に素晴らしかったので、ここにリンクをば。
アプリ開発者が動画広告を導入するときに気にすべきいくつかのこと
Analyticsのヒートマップとかワクワクしちゃいましたよ。スマホになってからプレイヤーの行動をトラッキングするための方法を精密化しないといかんので、実に素晴らしいです。
ところでAdsの説明を聞いている時、動画広告は在庫切れ(見ていない動画が広告SDK側から流れてこなくなる現象。案外あるんですよ)がわりと怖い問題で、そのあたりをどう解消するべきで…みたいなプラクティスがあるといいなと思ったのですが、講演後にいろいろ聞いた所、アプリごとに事例が違いすぎるから、そういうベストプラクティスは難しいんじゃないかなみたいな話でした。
確かに個別案件ですよね…ウン。
他にReproさんの講演とAmazonさんの講演もあったのですが、どちらもslideshareには資料がないようです。
なので、Reproさんのwebのリンクをおいておきます。
Repro
KPIの分析+アクションツール(グロースハックツールというべきなんだろうか?)として、スゴいレベルにあったので、一度チャンスがあったら投入してみたい…と思いました。
この講演をさせていただいたのがAmazonさんがある目黒のビルなんですが、エレベータの飾りとか実に面白くて写真に撮りたかったんですが、アマゾンさんによると撮影不可…残念過ぎる。
撮影してもいいですよ、というところが下の写真。

次、もし機会がありましたら、もうちょっと撮影させてください、アマゾンさん。


余談ですが、講演のあと聞かれたことについてちょっとだけ書いておきます。
「どうしてなんでも言葉にして説明するんですか?(大意) 」
同じことをCEDECでも、業界人の飲み会でも聞かれたので、多分みんなが不思議に思うことなのでしょう。
理由は簡単です。
それが海外(特に欧米)の連中が80年代後半から90年代後半までの無敵と思えた日本のゲーム業界に勝った決定的な理由だと思ってるからです。
海外のゲームを作る連中は、あらゆる暗黙知(日本なら「職人技」と表現するあたり)を形式知、すなわち誰でも実践できるように言語化して一般化する作業を愚直に徹底的にやります。日本だったら言語化されないような「面白さ」を”Fun factor”という言葉で分解して、ジャンルごとに一個ずつ積んでいくとか、その形式知にする執念には驚きます。
そして、それらの形式知について議論します(しかも具体的です)。 GDCは典型的なそういう場ですが、こういった暗黙知を形式知に変えて議論をするのは各々のスタジオでも、ゲームデザイナー個々の間でも、日々行われています。日常といっていい風景でしょう。
実際、ゲームロフトNZでも毎日のように様々なゲームデザイン・アート・コード、なんについてでも議論が交わされ、プロジェクトのゲームデザイナーとのちょっとした議論が発展して、いつのまにかスタジオのゲームデザイナーの大半が参加する議論になっている、なんてことも普通に当たり前にありました。
こんなやり方をする彼らなので、あらゆることに教科書があるし(できるし)、それらの知識があるのを前提にして、さらに上にモノを積んでいきます。失敗したり古くなったりしたことも全部積んで、これは失敗(なぜ失敗したをつける)、これは古くなった(なぜ古くなったをつける)と分類して、歴史の中に置いていきます。
2007-12の間、海外で仕事をしている間にわかったことは、このようにあらゆることを徹底して形式知にして積んでいく本当に泥臭い方法をやり続けるのだな、ということでした。
その経験から「すべてを言葉にして他人に説明できる形にする」やり方こそが、グローバル化したゲーム業界で欧米の連中と互角にやりあっていくために重要だと考えているので、自分の貧しい知識であろうと、出来るだけこうして言語化して、誰でも使えるようにしようと考えているわけです。
こうして作って喋ったスライドも、EA/ゲームロフト的なやり口の影響を強く受けた「何もかも形式知にしてプレゼンしたほうが全員の共通理解になるのでいいぞ」という形式知の受け売りです。
誰でも同じことをできるようになれば、そこから次の話ができるようになるので、スバラシイと思っているのです。

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