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F2Pの最初の3分間の後(1)
なんてこったい。
気がついたら、前にブログを書いてから2週間も経っていた。

もうむちゃくちゃに忙しくて、朝の10時に会社に出て、次に気がついたら、たいてい6時とかで「え? もう一日終っちゃうの!? マジ!?」って感じで「我々はッ スタンド攻撃を受けているッ!」とか言いたくなるのだけど…それはともかくとして、F2Pのホニャララシリーズの続き。

F2Pの最初の3分間
PART1
PART2
PART3
PART4

どうしてタイトルが変わったのかというと、今回からは最初の3分間ではなくなるから。

今まで書いてきた最初の3分間=ディレクティブチュートリアルでの目標は以下の要素だった。

●ゲームの面白さのプレゼンテーション
●コアゲームメカニクスの学習(基本ゲームプレイ)
●プレイヤーの立ち位置の説明(没入感)
●最後に次にやるべきことの提示を行う

そして、それぞれについてどうして必要なのかは説明した(ついでに書くとどうして3分なのか、みたいな話も書いたけど)。
つまり、ナゼこれをやらなければいけないかって話が終り、じゃあ次は何をやるのか? になるので、タイトルをチョッピリ変えたわけだ。

と、簡単なまとめを書いたところで本論。

前回のラストで

レベルデザインで、ゲームの要素を分解して学習してもらうことになるのだが、ではどのようにそれは組み立てていくべきなのか?

と書いたわけだけど、この一番最初にやるべきレベルデザインの事を僕はユーザーストーリーと言っている(これは僕の独自用語で、アジャイルのソレとかとは違うので、注意していただきたい)。


基本的な考え方は極めて単純だ。
ゲームを作っているからには完成形が見えているはずだ。見えていないというなら、そんなゲームデザインは捨てた方がいい。
そして完成したゲームをゲームデザイナーの脳内のユーザーはとても楽しく遊んでいるはずだ。すなわちゲームデザイナーは「ユーザーがどのように遊んでいるのか?」を頭の中に像として持っているはずだ。

想像するのが難しい場合には、自分がプレイしている状態を思い浮かべると楽だ。
ゲームを作っている時に、全く自分がターゲットに入っていないというケースは若いうちは珍しいと思うので、これでだいたいなんとかなるだろう。歳食うと、自分がターゲットではないゲームが出てくるだろうが、そんときには経験を積んでいるのでターゲットでなくても問題なく処理できるはずだ。

これを理想のゲームプレイヤーと決めよう。
あなたの、僕の理想のプレイヤーが今楽しくゲームを遊んでいる。F2Pなので適当に課金もしてくれているはずだ。とても継続してプレイできない課金が必要ならマネタイズのデザインに問題があるだろう。

そして、この理想のプレイヤーはどのようなプロセスを経て熟練者(マニア)になったのかも説明できるはずだし、ゲームデザイナーならば説明できなければならない。

当たり前だが、どんなプレイヤーも最初は初心者だ。
複雑怪奇なバトルの計算式を覚えているわけもないし、PvPでの立ち回りだってRaid時の効率のよいバトルの方法だって知らない。
どんな素晴らしいプレイヤーであろうと、最初はなにも知らない初心者から始まる。
だからこそ、ディレクティブチュートリアルが必要なのだし、1ステップずつ親切に教えていかなければならないのだ。そして初心者ユーザーは学習を続けるうちに、初心者を卒業し、応用が効くようになり、さらにゲームシステムを理解していき、熟練ユーザーに至るのだ。

そしてゲームデザイナーは初心者と熟練ユーザーのどちらも理解しているのだから、初心者から熟練ユーザーに至るまでに覚える、様々なテクニックや手に入れるリソースなどをまとめたユーザーの学習ストーリーを記述出来ることになる。
加えて、ユーザーが理想のユーザーに到達するためには、だいたいこれぐらいはかかるという時間設計もあるはずだ。
だから理想のユーザーのゴール時点でユーザーが投入した時間は想定できるはずなので、プレイヤーがそれらのテクニックやスキルをどのあたりでマスターするのかも設計できるはずだ。

かくして、ユーザーがゲームに"engage"した瞬間から、そのゲームのマニアになるまでのテクニックと時間の双方からのストーリーが記述できることになる。
このストーリーの事を、僕はユーザーストーリー(また書くが独自用語である)と呼んでいるわけだ。

ではユーザーストーリーを設計をする時期はいつか?
チュートリアルを作るより遥か前の、ゲームの要素がある程度揃って、GDDを書いている最中にはないと困る、というのが僕の考えだ(実際、今、作っているゲームもその時期に設計した)。

というのも、これはユーザーがどのように成長するのかを記述しているものだ。
すなわち、ゲームをどのようにユーザーが遊んでいくかなのだから、遊び方そのものといえる。
だから要素が全部揃いきっていない状態であろうと、さっさと書いてしまわないと、結局「どのようにユーザーが遊ぶのか」が記述できてないことになり、それはユーザーの遊び方(学習と成長)を曖昧にしか詰めていないことになる。
それはゲーム全体がブレる理由になりえるので、コアメカニクスが明白になった段階で、ある程度でいいから記述しておくべきだし、記述することで、ゲームデザインそれ自体の面白さの確認と見直しになると僕は考えている。

当たり前の話だが、このユーザーストーリーは要素が少ないほうが考えやすいので、プリプロで面白さの確認が出来たあと、アルファまでの間に基本的な形を作るのがお勧めだ。
このときはまだゲームデザインはプリミティブだから、そこで置かれるユーザーの学習するべきモノや必要となるリソースは非常にゲームの上で重要で外せないもののはずなので、間を埋めるときの役に立つ。


ここで出来上がったユーザーストーリーは、骨組みで、とても大事なのだけど、このままではたいていの場合ゲームには使えない。実際にゲームの中で使うためには、これをもう数段具体化しなければならないのだけど…というところで、めんどくさくなったので、次回に続く。(続けば)

ちなみに今まで説明してきた方法は「エンディングに至ったユーザーはレベルXXでプレイタイムはYYだから、成長曲線はこんなふうになる」って、桝田さんが26年前(1988年ごろ)に作り出した方法のアレンジバージョンだ。
こんな風に調整すれば今でも使える考え方なのだから、いかにゲームの原理原則に則った考え方なのかよく分かる。

全くの余談になるのだけど、少し前に、某オなんちゃらって会社の若手のゲームデザイナーと、この"F2Pの最初の3分間"についての議論をしていたのだけど…確かに機会があったのは事実だけど、人様の会社にこの話をわざわざ議論しにくるのはどうなんだとか思っちゃうのだけど…それだけこの手の議論する場がないのだろうなあと思っていた。

ここらへんは、日本の人材流動性の低さと、会社の間に壁があって議論する場が少ないってのは、大きな問題に感じる。
海外、特に欧米に目を向けると、海外の連中は基本的には1作作ると平気で会社を変わるし、それが当たり前だ。
(僕の元同僚が最近日本に遊びに来ていて、一緒に酒飲んだのだけど「3年も同じ会社で仕事したんだから、飽きたよ。そろそろ変わってもいいだろ」と言っていたのがとても印象的だった)
だから「Aって会社でBってことをやっていて、これがよかったからやろうぜ」てな具合にノウハウが簡単に移転していく。また人材流動性が高いので、再教育のコストが高いからツールや考え方、さらに使う言葉が標準化されていくスピードが速い。
加えて、GDCなどに代表されるイベントなどでゲームの製作者が集まって、オープンに技術交換をしていくので、ますますノウハウが一般的な知識として広まる速度が速くなる。
加えて、みんなすぐ本にするし、gamasutraみたいなサイトもあったりするしで、暗黙知を誰もが知っている普通のノウハウにしていく力は凄まじい。
このあたりのダイナミズムはとても日本にも欲しい要素だったりする。

だからCEDECに対して期待しているのだけど、講演が技術側に寄ることが多い(ゲームデザイン関係や運営関係の発表はほぼない)のに加え、最新のゲームのデータのポストモータムとかで、どう聞いたって「それ嘘だろ?」と言いたくなる発表をするのは正直許して欲しいと思ってしまうのだ。言えないことがあるのはわかるが、言う時には正直でいてくれよ。
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