イースⅠ・Ⅱ、オープニングの開発過程

手持ちで残っている開発途中のイースⅠ・Ⅱは以下のディスクが残っている。

  • 89年6月半ばのバージョン
  • 89年7月半ば~末ごろのバージョン
  • 89年9月末~10月初頭(じゃないかと思う)バージョン
  • 89年10月末バージョン
  • 89年11月マスター版(中身はもちろんマスターだけどスタンパとして残っている)

正確には1枚を除いてディスクには日付が書かれているのだけど、それは「ハドソンに到着した」ということで、当時スタンパのテープを出してから1週間以上かかっていた記憶があるので、ディスクの日付と内容から察するに「ここらへんのバージョンだろう」ってことだ。

これらは全部リッピングしてデータの形にしてあるのだけど、なんてこともなくこのオープニングの中身を調べたところ、かなり中身が違ったのでtwitterに動画を上げて見られるようにしたのだけど、映像資料として残しておくという点では検索性が低いなと思ったので、全部youtubeに上げ直したのが以下。

検索で表に出ることは好まないので、限定リンクの形にしてある。
なお環境は全部ootake+xbox liveによる録画なので、たまにマウスカーソルが走ったりするのは許してほしい。

89年6月半ばの現存する一番古いバージョン

Theme of Adol を使うことを決めるまでいろいろ悩んでいて、この時は開発機に録音した曲を片っ端から背景にかけてテストしていた。
それでノルティア氷壁の音が結構合っていたので「こんな感じでいきたい」ということで、未使用曲から絞り込んでいって最終的にTheme of Adolになった。

ゲーム部分はアドルのサイズを大きくすると決めたせいでグラフィック処理がメロメロになっている。当時すまんかった、進藤と長谷川君w

7月終わり前後のバージョン

正確には”#2″と書いてあるだけでいつごろかわからないディスクなのだけど、だいたい前半は月に一度ぐらいディスクを出していたこととゲームの出来ている雰囲気から、7月末だろうと想像がついた。

曲が米光さんのアレンジ曲になり、ボツになった斜めフィーナが入っている。
あと、ボスの曲とダームの塔の一番上のアレンジが違う。
ゲームを遊ぶとダルク・ファクトが実装されていて、1本にまとめると決めてバランスをとっている途中だとわかる。

このバージョンでは声優さんの音楽へのミックスダウンが終了していないので最強サントラだったりする。

89年9月末~10月初頭(じゃないかと思う)バージョン

声優紹介がついているのだけど、書き方が製品版と違い、一部誤植があって最終的には入らなかった井上真樹夫さんの名前があったりする。

アドルの回り込みではなくファクトの火の玉アタックカットになっている、フィーナのカットが変わったけど、まだ目のアニメーションが入っていないバージョン。
またインターミッションと呼んでいたⅠとⅡのデモは振り向きリリアのパレットがバグっていて、1カット、飛ぶアドルが入っておらず、でっかいリリアのところでアドルのセリフが入っていない。

このバージョンはエンディングまで遊ぶことが出来るがエンディングはまだ全然出来ておらずフィーナが喋り終わると画面真っ黒になって終了する。

マスター版

一応置いておくマスター版。89年10月末バージョン以降は、マスター版と同じになっていた。つーかなってないと困るわ。

インターミッション・エンディング・オープニングやゲームの開発途中のプレイ画像なんかもそのうち公開したい。

まあいろいろ映像資料として残しておこうと思ったので。

ところで仕事がクッソ忙しくて、いろいろスケジュールがツラいのですが、10月のコミック1では、電撃クロニクルという、電撃王・電撃PSに掲載していたコラムをテーマ別に分類した新刊を出すつもりです。

なお、コロナで来れない人が沢山いると思うので、少数ですが(欲しい人がそんなにいるとは思えない本なのでw)書店委託する予定です。


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8件のコメント

  • 7月終わりバージョンが欲しいですね
    叶わぬ夢が加速度的に肥大化していきます

    • わはは、まあモノはちょっとあげられないですねえw

  • 電撃クロニクル、是非とらのあなサンにもお願いします!

    電撃といえば最近コロナ引きこもりのせいもあって昔のゲーム雑誌引っ張り出して読んでいるのですが
    電撃PCエンジン創刊号、「サーク1・2」の記事&レビューで誰もそのタイトルにツッコミを入れてない(笑)
    オリジナルのパソコン版はそのクリソツっぷりが結構云われてたのにこっちは2から始められない点すら誰も指摘してないなんて・・・
    コレも歴史次第じゃ「スーパーサーク」ってタイトルになったのかもw

    • あ、普通にとらのあなさんにもお願いするつもりです。
      なおサークⅠ・Ⅱのタイトルに突っ込んでもしょうがないでしょうw

  • 限られた資源(メモリなど)の中でゲーム製作の変化が感じられて興味深いです。
    もし、開発当時のPCエンジンのスペックがSUPER CD-ROM^2だったら
    カットした絵が使われていたのかもなどと、つい妄想してしまいました。
    PCエンジンミニの隠しモードで実現できていたら面白かったかも。

    • いやームリっすねw
      当時の環境だともう作るだけで精いっぱいでしたから。ただもうちょっとアニメは楽だったかも知れませんw
      あとSCDだったら、間違いなくダームの塔は一発ロードで、サルモン神殿も表は全部一発ロードになりました。それは出来たら良かったなあw

      • Duoの販促で天外魔境のSCD版のプレゼントがありましたが
        イースもそういうSCDリメイクの機会があったら良かったですよね
        もっとも天外魔境は「ロードしなくても待たされる時間は一緒(特にザコとのエンカウント時)」という酷い代物でしたがw

  • PCE版の画面にオリジナルのFM音源が仮当てされてる動画を拝見して思い出したのですが、ネットで見かける説で
    「PCEにおける移植ゲームのBGMが往々にしてアレンジ版になるのは、オリジナル音源のサントラCDメーカーに対する許諾料が発生するから」
    「いやそうじゃなくCD再生でそのまま聴けちゃうので、サントラCDの売れ行きに影響するから」
    「スーパーダライアスはそれを回避するためにドルビーサラウンドエンコードして別物のテイをとったけど、サントラメーカーに怒られたのでIIの移植版ではあの悪名高いアレンジ版になった」
    などといった話があるのですが、実際のところそんなことってあったのでしょうか?
    (製作メモや通史を拝読して、イースI・IIの時はそういうことはなかったように感じますが。)

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