イースⅠ・Ⅱ通史(10):イース1とファザナドゥの補足
『イース』を決めたのは誰だったのか?
これは山根なのが確定した。
ちょっとした理由があって「ともかく短く(2文字)で、せいぜい真ん中に長音がある程度の地名」という条件で『世界文学にみる架空地名大事典』の中から発見したのがイース。
で「Ys」だと知って、大浦君にロゴを頼んだわけだ。
僕の家にもあるので、該当箇所(69ページ)をスキャンしてきた。テキストを読むとわかるがプロマルクって、明らかにプロマックの街だよねとわかったりするのが面白い。
MSX2のイースについて
コメントの質問
MSX2版イースは確かソニーのMSX2とコラボしてて HB-F1XDでしか動かない懸賞版あったと思いますか そこら辺の裏話ってあったりします?
■ファルコム関係者の証言
MSX2版のイースⅠは、HB-F1XD(FD搭載機)のバンドルソフトでした。
SONYさん提供の「機種チェック」(SONYチェック)が組み込まれています。
宮崎さんが移植の終わり頃に「SONYチェックが、まだ来ないんだよねー」って言ってました。
バンドルだったので、イースの売上の中でかなりの販売数があったようです。
FM77AV版を移植した倉田さんが「MSX2版は、何もしなくても売れるからいいよなー」とこぼしてました。
あと、大浦さんがMSX2のグラフィックのコンバートをやっているのだけど「なぜやることになったのかはわからないです。気がつくと、山根さんは別の仕事に入っているし、手が空いていたのが私だったと言うような感じでした」ということだった。
しかしソニー謹製の機種チェックって、いや、MSXの理念からしたらやったらダメだろー(;´Д`)…とか思ってしまいましたよw
ファザナドゥの海外版について
海外ローカライズに関しては、ハドソンではない外部の会社が行っていたのでしょうか?ファザナドゥは当時のファミコンゲームには珍しく、英語以外にもドイツ語、フランス語、スペイン語等、欧州各地域言語の翻訳版があり、それが欧州方面での評価につながった部分もあったようです。
元Twitterの発言
『ファザナドゥ』は当時珍しく各国語版があったのだけど、これを誰がやったのか?
野沢さんによると、やったのは当時あったハドソンUSA。
英文はJohn Greiner。下訳をやったのが斎藤その子さん。どちらもイースの英語版で僕と仕事した人でした、ハイ。
ドイツ語版などは英語ベースだと思うのだけど、ジョンに聞かないとわからない。
またこれの各国語版を作ったのはヘクターさんだったはず、とは奥野さんの証言。
ドラえもんはなぜ炎上したのか?
僕は素人が多かったからかと思っていたのだけど、実は違った。
ハドソンの関係者によると「ある日、プロジェクトが天から降ってきて、ケツカッチンで〆切が絶対に動かせず、しかもギリギリだったので、プログラマを大量投入以外に完成させる方法がなかった」という世にもスゴい話だった。
当時の原始的な特定のメモリに書き込むと32KBが丸ごと切り替わるバンク型のROMで、バンクごとにプログラマを割り当てて、よってたかって書くというデタラメなプロジェクトで間に合わせたとのこと。
やり方、デタラメすぎw
Bugってハニーはどうしてブロック崩しとアクションの組み合わせになっちゃったの?
当時、横スクロールのアクションの方は城近さんのチームが作っていて、そして金田君のチームが『ピタゴラスの謎』というブロック崩しを作っていた。
これが「なぜか」、ある日、突然一つのゲームとして、作れという話になって、無理やりひっつけたのが『Bugってハニー』。
これについては調査中なので、しばらくしたら、もう少しわかるかも知れない。
上はイースのタイトルのモトネタが掲載されている本。ド古本だけど、興味がある人は買ってみて読めばよいかと。
これ、電子書籍とか全くないし、完訳版はふざけたプレ値になってるしって困った本。
ということで、次は『イースⅡ』の開発に入る予定。
3件のコメント
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Ysの元ネタ
話がウインダリアの元ネタのようですね。当時は雨月物語?と思いましたけど。
『世界文学にみる架空地名大事典』には『ロマンシア』の元ネタも載っているので、ファルコムにあったかスタッフのどなたかの持ち物だったんでしょうね。
カーリルで検索してみたところ「完訳 世界文学にみる架空地名大事典」は意外と各地の図書館にあるようです。購入が厳しければ閲覧するのも一つの手かと。