辻野さんの画集のこと

辻野さんの画集が発売されて、もちろん購入させていただいて読んで、懐かしく思うと同時に、書きたくなったことがあるので、メモ代わりに。
まず辻野さんはそもそもはテレコムってアニメーションの会社の出身で、そこはどんなアニメを作っていたのかと言えば、わかりやすいあたりを書くと『ルパン三世カリオストロの城』なんてあたり。ぶっちゃけた書き方をするなら、宮崎・高畑監督あたりの直系に近い弟子ってことになる。
それで『天外Ⅱ』を作っていた当時、テレコムでの教育みたいなものに興味津々で聞いたところ、辻野さんの答えがスゴかった。
「仕事がないときはさー上野の動物園とかいって、一日中、動物のデッサンとかさせられてさー動物の動画描かされてさースゴい勉強だったよ」
ビックリするような贅沢な勉強方法に感心してしまう。
で、テレコムのそういったスゴいアニメーションを作る方々の直系の弟子なうえに、辻野さん自身の実力がスゴいのもあって、もちろん絵もスゴイのだけど、本当にスゴいのは、僕はコンテだと思っている。
初めて見たのは、進藤に『天外1』のコンテを見せてもらったときで、あまりのうまさにビックリしたのを良く覚えている。
だから、辻野さんのコンテはもうほんと全部大好きなのだけど、中でも好きなのが、絹が激怒して吹雪御前を叩き殺すシーン、オープニングタイトル、4人それぞれのデモ、玉のアニメーション、初めて根の一族が登場するあたり。
だから、『天外Ⅱ』を作っているとき、毎日コンテを読みながらプログラムで動かしていくことに携われたのは、一番誇らしい事の一つだと思っていたりする。
なので、僕としては、辻野さんのコンテ集もぜひ出していただく思うのであります。
あと、みなさま、辻野さんの絵は素晴らしいので、ぜひ画集を買っていただきたく思う。

天外画廊
天外画廊
LinkedIn にシェア
Pocket