証券化の原理

ゲームに役に立つかどうかわからないけど、ちょっぴり勉強している金融関係の技術を煮詰めた、原理ネタ。
■「証券化」の原理
a)資産価値が500円の土地があるとする。
b)500円のビルを建てると1000円の資産が出来上がる(500+500)。
c)このビルは1年200円の利益を生み出すとする。
※計算、どーいうつもりか間違ってたから直したw
1)ビルを500円で建てると考え、資産価値に利益1年分加えて1200円と考え、これを12分割し、100円の証券を作る。
  この証券は例えば「2年後から、ビルから出る利益の5%をもらえる権」である。
2)証券12枚を売る。
3)1200円入るので、ビル建てて700円余るw しかもまだ土地とビルの権利は手元にある(ここらは証券の作り方しだい)。
もう錬金術の世界だ。
「ビルから出る利益をもらえる権利」とか分割して売るって発想がすごい。
この証券について見ると100円の証券で、ビルから出る利益の5%、ビルの利益は200円なのだから、20で割ると1年10円の利益が還元されることになり、利回り10%。恐ろしく効率がいい。
(5%ということは、12枚で60%であり、ビルの利益は40%残るから、十分にほかも潤う計算になる)
ところでコレの怖いところは「ビルから出る利益が200円」と決めて、それを証券の中にシステム的に組み込んで売っているところだ。
これがホントにうまくいくなら、200円の5%だから1年10円。利回り10%の証券で10年で償還できることになり、これを買わずにナニを買うだけど、見込み違いで利益が仮に0だったりするとナニが起こるかというと…いうまでもなく、この証券はゴミクズ同然になる(ビルの権利は何一つもらえず、ビルが産み出す利益のみをもらえる証券だから)。
つまり、証券化されたもにはリスクがあるってことになるんだけど、証券化の「リスク」を下げる決定的な仕掛けがコレ。


■「リスク分散」の原理
例。
10個の会社があり、それぞれが100円の投資をほしがっているとする。
わかりやすく、全ての会社が1年で2倍の利益をだすか(つまり200円返ってくる)か、それとも0かとする。
で、例えば3社は利益が0しか出せない…とすると「どれに投資するか」は極めてリスキーな(30%も失敗する可能性がある)選択だけど、ここで発想を変える。
この10個の会社を束ねると1000円の投資額になる。
これが1年後にどんだけの利益になるかというと、例のとおりだと「30%のダメ率」なので、7社が利益を出して1400円の利益が出ることになる。元の価格は1000円なので40%の利回りが期待できる。
そこで、この10社を束ねた証券を作り、これを一口100円で売る。
これだと、50%が失敗しても元本割れしない「ものすごく安全だ」ということになる。
と、こんな風にして証券化とリスクを下げる方法があるわけだけど、これで一番得するのは誰かというと、明らかにこの証券を作る人達だ。売れば、そこで利益確定で、自分たちはリスクゼロ。こんなに美味しい話はほっておけない。
そりゃあ、投資銀行な人たち、こんな商品を大量に作ったわけだよなあ…と思ってしまうのだった。

LinkedIn にシェア
Pocket

1件のコメント

  • AGENT: Mozilla/5.0 (compatible; MSIE 9.0; Windows NT 6.1; WOW64; Trident/5.0)
    ご無沙汰しております。
    すでにご存じでしたら失礼します。
    とあるブログのオーナーさんがGDC発表コンテンツの
    和訳PDFを無料で公開されているのでお知らせします。
    http://spa-game.com/?p=1659
    リンク先のガムロードから0円購入でダウンロードできます。

コメントは現在停止中です。