パワーリーグと荒井君のエピソードの付け足し

ハドソン伝説3を書いたあと、例によっていくつか「そういえばアタック」を食らっているのだけど、それ以外に「しまった」と思ったことについてここにちょっと書いておきたい。

『パワーリーグ』の項目で、荒井君が野球が好きなのもあって「12球団入ったゲームにしたい」となぜ思ったのか?

まず第一に当時はJリーグなどのプロスポーツは存在しておらず、球技のプロスポーツは日本ではプロ野球だけだった。そして、プロ野球が圧倒的な人気のある国民的スポーツだった。

そして、当時は「実力のパ、人気のセ」って言葉があったぐらいパリーグとセリーグでは人気には差があって、さらにセの中でも「盟主」だった巨人およびそのライバルの阪神と、それ以外では圧倒的な人気の差があった。

しかも人気があるセリーグの中でも、さらに巨人の試合はシーズンはほぼ全試合が地上波で放映されていて、ものすごく高視聴率で、その人気を利用して読売新聞は「ジャイアンツのチケットあげますから取ってくれませんか?」なんて戦略を取っていたほどだった。(実際に僕はあったことがあるw)

上は参考サイトからもらった視聴率だけど、当時20%以上当たり前にあったのだから、そりゃあ圧倒的だ。

そしてこのジャイアンツ戦のせいでEPGもない時代の映画の放送がずれたり、それともアニメの放送がズレたりして、録画されないなんて悲喜劇があったものだけど、それはともかくとして。

今のプロ野球を知っている人には信じられないだろうが、端的に書けばパ・リーグは人気のないマイナーなリーグだった

この人気のなかったパ・リーグを見事に描いた作品として、ついこの前亡くなった水島新司先生の『あぶさん』の初期シリーズがある。

後に『あぶさん』は超人の聖人になるけれど、初期は南海ホークスにいる代打の切り札で、ただの酒飲みで、いつクビになるかもわからないような選手だった。
そしてそこで描写されている全然観客のいないパ・リーグの球場、そして日本シリーズとオールスターだけ盛り上がるってのは確かにあった風景だった。

で、そのパ・リーグの中で巨人に対抗するチームとして、1979年にクラウンライターライオンズから西武ライオンズになった西武が戦略的に人気を取ろうとしていたのもあって、抜群の人気があったのが1980年代半ば~後半だった。

だから大ヒットした初代の『ファミスタ』ではパリーグはライオンズ+2チームにまとめられ、9チームしかないザマだった。また、そのあとの『燃えろプロ野球』は12球団あるけれど、今度はデータがメロメロで野球としてはガッカリ。そりゃ荒井君は野球好きなのだから「12球団入った(まともな)ゲームにしたい」と思ったのも無理はない。

と、この話は入れておいた方が良かったななとちょっと反省していたのである。

ところで10月からあと、バカみたいに忙しいのはまだ続いていて、週80時間以上仕事するのが当たり前の日々が続いていて、もうホントになんも出来ない状態だったりする。
小さなプロジェクトなのもあって、ディレクター兼リードゲームデザイナー兼リードプログラマー兼運営リーダー兼プロジェクトマネージャーみたいな、33年前かよ! と言いたくなるような状況が延々続いてる。
とはいっても、少しなんとかなるんじゃないかという手ごたえを感じ始めている。
あと、早くオミクロンが収まって、北海道に取材に行きたい。イース通史4は、キーマン何人かの直接の取材がないと書けない話なのだ…

ハドソン伝説既刊。BEEPさんととらのあなさんで委託しています。BEEPさんでは描き下ろしのイラスト+コラムの特典ペーパーがつきます。

ハドソン伝説3 / 岩崎啓眞|BEEP ゲームグッズ通販※BEEP特典:B5サイズおまけペーパー付PCエンジンの初期の開発史について深掘りした本です。PCエンジンを作る上でNECとハドソンはどのように出会ったのか、ハドソンはどのようにチップを開発したのか、どんな風に開発環境を作ったのかについて、当時の関係者に直接インタビューして、出来るだけ事実に近い歴史をまとめました。またローンチソフトの『上海』と『ビックリマンワールド』から88年6月末の『パワーリーグ』までの10本のソフトのスタッフと開発史に加えてプロトタイプのPCエンジン用に作られた『ダーウィン4078』についても収録。その他、エトセトラとして、PCエンジンのチップのコードネームの逸話やキャノンボールの話なども収録しました。
ハドソン伝説3 / 岩崎啓眞|BEEP ゲームグッズ通販 www.beep-shop.com
ハドソン伝説3 / 岩崎啓眞|BEEP ゲームグッズ通販
ハドソン伝説2 / 岩崎啓眞|BEEP ゲームグッズ通販★BEEPオリジナル特典おまけペーパー付『バンゲリングベイ』のオリジナルはどんなゲームだったのか、MSX版『スターソルジャー』は誰が作ったのか、『迷宮組曲』の連射測定は水増しが行われていたが、それはどういう理由で誰がやったのか、高橋名人はゲームがうまかったのか、1984年の任天堂のファミコンのバージョン管理の話など、ハドソン伝説・ファミコン編を書いたところ、さらに思い出したスタッフから教えられた様々な話を深掘りしたエピソード集。そして多分世界で一番『バンゲリングベイ』について詳しく書かれた本です(笑)
ハドソン伝説2 / 岩崎啓眞|BEEP ゲームグッズ通販 www.beep-shop.com
ハドソン伝説2 / 岩崎啓眞|BEEP ゲームグッズ通販
ハドソン伝説 / 岩崎啓眞|BEEP ゲームグッズ通販ファミコン史上初のサードパーティになったハドソンが制作した全ファミコンソフト27本+外注が制作しハドソンから販売された13本の計40本について、ハドソン内部で作ったソフトは、当時の作者達にインタビューし、誰が作り、作っているとき、どんなエピソードがあったのかを出来るだけ集め、外注されたソフトについても出来るだけエピソードを集め、どこが作ったのかをまとめた本です。収録されているゲームは以下(*がついているものはハドソン名義では発売されていません。また外注と書かれているのはハドソンから発売された他の会社が作ったソフトです)。1984ファミリーベーシック(*), ロードランナー, ナッツ&ミルク, 四人打ち麻雀(*)1985ファミリーベーシックV3(*), バンゲリングベイ, チャンピオンシップロードランナースターフォース, プーヤン, チャレンジャー, バイナリィランド, ボンバーマン1986忍者ハットリくん, スターソルジャー, 高橋名人の冒険島, 迷宮組曲, ドラえもん1987新人類(*), ミッキーマウス 不思議の国の大冒険, 高橋名人のBUGってハニー,ヘクター
ハドソン伝説 / 岩崎啓眞|BEEP ゲームグッズ通販 www.beep-shop.com
ハドソン伝説 / 岩崎啓眞|BEEP ゲームグッズ通販
ハドソン伝説3 PCエンジン誕生編PCエンジンの開発にあたってNECとハドソンはどのように出会い、ハードを作ったかについて、事実に近い歴史をまとめました。またローンチソフトの『上海』と『ビックリマンワールド』から88年6月の『パワーリ
ハドソン伝説3 PCエンジン誕生編 ecs.toranoana.jp
ハドソン伝説3 PCエンジン誕生編
ハドソン伝説2 ファミコン編追加エピソード『バンゲリングベイ』はどんなゲームだったのか、MSX版『スターソルジャー』は誰が作ったか、『迷宮組曲』の連射測定は水増しが行われていたなどなど、ファミコン編を書いたところ、さらに思い出したスタッフから
ハドソン伝説2 ファミコン編追加エピソード ecs.toranoana.jp
ハドソン伝説2 ファミコン編追加エピソード
ハドソン伝説ファミコン史上初のサードパーティになったハドソンが制作した全ファミコンソフト40本(『スターソルジャ―』や『高橋名人の冒険島』など)について、当時の作者達にインタビューし、誰が作り、作っているとき、ど
ハドソン伝説 ecs.toranoana.jp
ハドソン伝説
LinkedIn にシェア
Pocket

6件のコメント

  • 全試合は当然、キャンプ中継も全て観るというガチの巨人ファンだった僕としては複雑な思いを持ちました(笑)
    それはさて措き、御身体を大切に!

  • 清原和博の入団で、それまででもパ・リーグで抜群の集客力を誇った西武ライオンズの人気が爆発しましたね。

    1988年とか、日曜日の大阪球場が満員になることもあるような、ちょっとしたパ・リーグブームでした。

    1990年からの西武ライオンズ5連覇で、西武人気とパ・リーグ人気は一気に凋落するのですが。

  • 子供時分、日曜日は父の巨人観戦にTVを奪われ裏のアニメを見れず泣いていたのを思い出しました
    今や地上波で野球中継なんてないわアニメも深夜だわ時代は変わったなあ・・・
    って皆さんココなんのブログでしたっけ(笑)

  • ちなみに杉並に住んでいたころ「ジャイアンツのチケットあげるから、新聞とってもらえませんか?」というのが来た時に返したセリフは「僕、関西出身で阪神ファンやねん」。
    マジ、サックリ帰りましたw
    ちなみに阪神ファンというよりは、在阪球団の試合をなんとなく見るのが好きって感じでしたがw

    • 後楽園球場でも阪神戦がある・・・と思いましたが、新聞屋さんが持ってたのは大洋戦とか中日戦のような不人気カードだったんでしょうね。

  • そういえば「課長バカ一代」で“ロッテのスタメンを言えるのか”云々のネタがあったっけ(笑)
    読んだのがクロ高ブレイク後だったから初出から数年経ってたろうにまるで色褪せてなかったとゆーw

コメントは現在停止中です。