ハドソンがファミコンに参入するまで(補足)

書き上げたあと、自分的にとても気に入っているのと、やっぱブログで書いたのは構成が気に入らない…連載みたいなもので、あとからあーこうしたらとか、こんな事実が! みたいなのがあって、4月の終わりにあるコミックイチで本にしちゃおうと思って、現在、構成を組み立てなおしながら、資料なども追加しつつ、書いているところ。
で、書いてるうちにわかった細かいことなどを、ちょっとメモ書き代わりに残しておきたい。
1982年のX1での協力で、ハドソンではX1は安く買えたということだった。だから一時、ハドソンはX1だらけになっていたとのことだった。僕がハドソンにいった1988年にはもうX1は開発では使われていなくて、飛田さんとか一部人たちの机の上に残っていた程度だったので、さっぱりわからなかった。
X1でゲームを書き始めた最初の頃、本迫(もとさこと読む)さんが作ったX1用のBASICコンパイラがあり、それを使ってゲームを開発していたらしい。
らしいというのは、開発していた人たちはそう言っているのだけど、開発した当の本人であるはずの本迫さんに確認したところ全く覚えておらず「俺そんなことしたっけ!?」だったから、真偽が全く不明なのだ。
当時の数少ないハドソンのメンバーでこの真偽を覚えている人はいないだろうかw
ところがBASICコンパイラは当たり前のことながら、当時のコンパイラなのでランタイム(動かすときに必要なライブラリ)が大きい・コンパイル効率が悪くコードが大きい・速度が遅い(フルアセンブラより遅い)、案外他機種への移植が大変…といった問題があり、互換ライブラリを作ってフルアセンブラ(オールマシン語)の方向に話は進んだ、ということらしい。
それで、最初のフルアセンブラゲームがなんだったのかというとボンバーマン。
中本さんが1日で書いたのが最初だったと僕は聞いた。
単純なゲームだけど、それでも1日で書くってのはスゲエ…つってもライブラリは既に大量にあったろうから、1日でコア部分を書いたってことだろうけど。
当時の主流はZ80だったので、結局X1で書いたアセンブラのゲームを他のマシンへ移植するのは互換ライブラリがあれば楽だった、ということなのだろう(今で言うPS3/X360のマルチよりたぶん楽だったと思う)。
あとナッツ&ミルクとロードランナーの発売日が7/20説と、7/28&7/31で2説あるのについては確認が取れた。当時の流通の都合で3日ずれでばらけて発売されたように見えるけれど、ハドソンの公式な発売日は7/20だそうだ。
つまり、ロードランナーがナッツ&ミルクよりも後に見えるのは、当時の流通の都合でしかない、ということだ。
僕の想像だけど、当時は流通も小売も、今のように発売日を厳密に管理していなかったので、7/20に流通に出荷され、実際に売りに出されたのがナッツ&ミルクが7/28ごろ、ロードランナーが7/31になったということなのだろう。
かくして、ハドソンのファミコンデビュー作は同日発売になったのだった。

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4件のコメント

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    はじめてコメントさせて頂きます。
    ナッツ&ミルクとロードランナーの価格の事で、もしご記憶に有らば、教えていただけますでしょうか?
    某Wiki等で色々検索してみると、定価4,500円との記述が多いのですが、
    私の記憶では定価は3,900円だった気がするのです。
    私が初めてファミコンを親に購入してもらったのが’84の7月31日で、そのとき一緒に購入したソフトがナッツ&ミルクとロードランナーでした。
    なぜ正確に日時を覚えているのかというと、当時北海道では小樽博覧会という催しが行われておりました。
    母親が私達3人兄弟に強請られてそれに外出するも、あまりの外の暑さに地下鉄駅の入り口で心が折れ、
    「あんたら博覧会行くのとファミコン買うのどっちがいい?博覧会行くのやめるならファミコン買ってやるよ?」
    と言われ、兄弟三人即答でファミコンを選び、近所のデパートに駆け込んだ思い出があるからです。
    その時、おもちゃ屋店員に発売したての最新作として勧められたのがご当地産の2本でした。
    当時のソフトは箱の中に透明の緩衝材が無く、一般的に知られている大きさの箱よりも小さい紙の箱に、ビニール袋に包まれただけの状態で流通しており、価格も3,900円だったと記憶していました。
    しかし30年弱経った現在ネットで検索しても、定価は4,500円だったとの記述しかありませんでした。
    推測では4,500円で流通していたのは、のちに一般的になる緩衝材に入ったパッケージのバージョンで、
    それが流通する以前、まだ任天堂製のソフトしかなかった時代の緩衝材無しのパッケージでハドソンのソフトも流通していた事があまり知られていないのかと思っているのですが、
    もし当時の情報で何か見聞きしている事があれば、御教え願えますでしょうか。
    宜しくお願い致します。

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    そういえばpce開発当初のout用テレビは殆どX1テレビでしたねえ。普通のテレビよりニジミが少なかったからかなり重宝してましたっけ。

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    >> sentinel_sp 様
    あーーーー!!
    X1テレビがやったらあったのは、本体はともかくテレビは使えたからか!!!w
    >> むぎぢる 様
    その記憶はほぼ正しいです。
    ただ3900円ではなく、3800円ではなかったでしょうか?
    僕は、今回の本のために資料としていろいろ集めているのですが、その一環としてロードランナーとナッツ&ミルクの初心会や一般向けに配られたチラシを手に入れています。
    で、価格はロードランナーが「4500円」、ナッツ&ミルクが「3800円」になっています。
    なので4500円の定価は「ロードランナー」の話で、ナッツ&ミルクではなかった、が真相だと思います。

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    ご返答ありがとうございます!
    ナッツは3,800円でしたか。
    何分、28年前の記憶なので思い違いをしていたのかも知れません。
    一次問屋向けの資料にあるならば恐らくそれが正解なのだと思います。
    2本同時購入で、当時はソフトの内容で価格が変わるという概念が無かったので、同じ定価なのだと思い込んでいたのでしょう。
    今になって考えると、他社版権のロードランナーの価格が高いのは当然ですよねw
    長年の疑問が解けました、ありがとうございます。

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