マジンガーZ INFINITY

あらゆる僕の友達が「見ろ!」と言っていたのだけど、超忙しくて忘れているうちに公開が終わっていて、買ったブルーレイを見て「映画館で見なかったことを心の底から反省します」と思わず言ってしまう映画だった。

この映画を端的に説明すると、1970年代、マジンガーZとグレートマジンガーに熱狂した「心のヒーローナンバーワンは兜甲児に決まってるだろう」とのたまってしまうような、今では50を過ぎたオッサンたちにプレゼントされた超豪華版最終回だ。

映画としてはメチャクチャにムチャクチャで、登場人物のほとんどを全く説明しないし、登場人物の関係も、舞台設定もほとんど説明しない潔さ。
光子力が何かも、ミケーネ帝国ってなんですかとか、ドクターヘルって誰よとか、もう全く説明しなくて「知ってるだろ?」って感じで、マーベル映画より、DCより説明しない。
オープニングでグレートマジンガーが戦うシーンから最後まで、登場人物は全員を見る人間は当然知っている前提。

しかも驚くべきことに、リファインされているけれど、これがなんとほとんど45年前のテレビシリーズそのままの設定で出てくる(一部もちろん微調整はされているけど)。
だからボスボロットがコメディリリーフなのも、なにもかもテレビシリーズそのもので、水木一郎先生が歌う主題歌ももちろん新録だけど、テレビシリーズと同じで、最初に出てくる「Z」のロゴはテレビシリーズそのもの。
つまり設定は、なにもかも45年前からやってきたマジンガーZとグレートマジンガーが、映像のクオリティは現代で、地球の、いや宇宙の命運を賭けて、僕の心のナンバーワンヒーロー兜甲児が、マジンガーZに乗って、あのドクターヘルと雌雄を決するのだ。
だから、45年前のテレビシリーズを見ていたオッサンのために45年の時を経て現れた超豪華版最終回だというわけだ。

冒頭のグレートの戦闘あたりまでは、割と冷静に見ていられたのだけど、水木先生の主題歌が鳴った瞬間、少なくとも僕は45年前に戻って、毎週テレビの前に座ってワクワクしていた、ガキの心に間違いなく戻っていた。
もう水木先生の主題歌だけで、100点満点で一兆点ぐらい出ちゃうし、マジンガーZの発進シーンから最後なんて、脳みそが飛んでしまうぐらい幸せで、ドクターヘルこと地獄大元帥との最終決戦とかなんて涙なくして見られないレベル。
あとドクターヘルが超かっこよかったのも嬉しい。

誰にでも面白い映画だという気はない。
マジンガーZとグレートマジンガーが好きでなければわからないところだらけだし、グレンダイザーは無視されているし(いや、僕はあまり好きではないので無視してくれて結構なのだが…)、だいたい45年前のテレビシリーズを夢中になってみていたオッサン以外にはわからないところだらけの作品だと思う。

でも、45年前にマジンガーに熱狂していたオッサンには、心の底から感動できる、100点満点で、そう…5兆点ぐらいは余裕でとってしまう映画だったのである。

45年前にマジンガーに熱狂していたオッサンには間違いなく見て頂きたい、と心の底から思ったのであった。

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