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    PC88版イースの初期開発史:アステカ2からイースに至るまで
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PC88版イースの初期開発史:アステカ2からイースに至るまで
某所で飲み会があった。

これがまあ山根に招待された飲み会だったのだけど、ヤツ曰く「岩崎さんのブログの俺についての行状はデタラメで、ホラだらけであり、俺が真っ当な社会人だったことを証明する飲み会」というのだから笑わせる。
これが証明できたかどうかは、飲み会に参加したメンバーの感想でも聞いて欲しいのだけど、ここに元ファルコムのメンバーがいて、さらに山根もいて、イースの初期開発史を聞くチャンスだ! と思って、イロイロと聞いてみたのが、この記事だ。

まず、なぜ山根は木屋さんと仕事をしていたのに橋本さんとのコンビに変わったのか?
なぜか?
『イース』を作る前に、橋本君は『アステカ2』を作っているのだけど、この時、山根は『ロマンシア』をやっているというのが歴史で、接点がわからなかったのだ。
で、これを聞いたところ、そもそもは山根が『アステカ2』の仕事をするはずで、実際に作業をしていた。
ところが、途中でいろいろあって、山根は『ロマンシア』をやることになった。そこで『アステカ2』を終わらせてくれたのが大浦君で、山根は大いに大浦君には感謝しているとのことだった。
そして『ロマンシア』も終わって、やることがなくなっていた山根はまた橋本君のところに戻っていた。
山根曰く「俺達はぐれものでしたから」
そして『アステカ2』が終わった直後、山根が橋本さんのところに戻ったぐらいの時、橋本さんが88用のフルカラーの全画面スクロールを作れると豪語して、実際に作り出し、確かに動かすところまでいった。

これについて説明しておくと、当時はスクロールすること自体が難事業で、色数を減らして(8色>4色とか)、プログラムの負荷を下げてスクロールを軽くするのが常識的だった。だから枠をつけていても、かなりの領域を自由スクロール出来るというだけで『イース』はかなりスゴかったのだ。

このスクロールルーチンを使ってゲームを作ろうという話になった。
つまり『イース』になるゲームは、最初は単なるスクロールルーチンから始まったわけだ。


では企画はどんなものだったのかというと、最初のうちはSFモノの企画で動いていた。スクロールと言えばシューティングで宇宙だということらしい(のちにこれが『スタートレーダー』になる)。

ここでもう一つ説明しておくと、この当時は「ゲームの王様」と言えばアーケードで、アーケードでの王様は横/縦スクロールのシューティングの時代だ。そりゃあまあ、シューティングって話は出ると思う。

ところが、ここで問題が起こる。
どうにも橋本君と加藤社長との相性が悪く、険悪で『アステカ3』でしか企画が通らなかったのだ。だから、スクロールするアドベンチャゲームだといって『アステカ3』の形になった。
かくして世界観はファンタジー側になった。
そしてファンタジーとして作り出したとき、プロトタイプでニワトリを捕まえて売るゲームだった(山下章さんのチャレアベに写真がある)のは、テストルーチンの世界で、山根が当時アルバイトだった古代彩乃さんに「なんかファンタジーのモンスター描け」といったら、なぜかマルマルとしたニワトリを描いたもので、ニワトリを捕まえて、売るゲームになったということだ。
山根曰く「ファンタジーで、ニワトリ描きますか? ありえないっしょ!」

だったら、プロトとはいえ、それを捕まえて売るゲームにしたお前らはどうなんだと思うが、それはともかくとして、このプロトタイプは『イース1・2』の制作時に、資料の一つとしてきており、チームにとっては必要ではないものだったので気にしていなかったのだけど、これがなんとシナリオを手伝ってくれた長山君の所に現存している事実が判明した(ただし内容を確認できていないのでたぶん)。
これの処理はお願いしますと言われたので、ゲーム保存協会に寄付をする予定である。

実はこの話の中で、いつ宮崎君が入ってきたのかがさっぱりわからないのだけど、ともかく宮崎君もどこかで参加して『イース』は形になりはじめる。
この『イース』の元ネタは、かの有名な映画『ラピュタ』だった。だからイースが空を飛んでいるのは決まっていた
だから、ゲーム後半でイースに飛ぶことは決まっていたのだけど、Wikipediaのイースの項目について(1)で書いた通り、ディスクの枚数は入らないし、おまけにプログラムもシナリオも何もかも間に合わない。

そこで廃坑で打ち切ることにしたのだけど、今度はボリューム不足。慌ててダームの塔を作り始める…というこの流れ全体は正しかったのだけど、一つ僕が書いた記事には間違いがあった。
それは「ダームの塔そのものは最初から設定としてはあった」ということだ。

では、何が起こったのか?
ダームの塔はあんな大きなものではなく、大幅に水増しをして、後半戦にしたというのが事実だったということだ(そもそもは数階しかなかったらしい)。

こうして『イース1』は出来上がり、橋本君としては、途中で打ち切っているわけで、なんとしてでも完成させたかった。
そして幸いなことに『イース1』はヒット。
『Ⅱ』を作っていい、との話になり、88年に『イースⅡ』が登場するのである。

また、機会があって、詳しく聞けることがあったら、PC版イースの開発史については埋めていきたいと思っている。
|| 21:11 | comments (6) | trackback (0) | ||

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コメント
イースI・IIですごいなと思ったのは、Iの廃坑のボス・ヴァジュリオンの奥の部屋が、IIの最後の最後で登場することですね。

確かにPC-88のIの時点で台座はありましたけど、あれで気付けた人はいないんじゃないかなあー?

PCエンジン版のあれは山根さんがこだわりで入れた部分なんでしょうか?

あと、ついでで申し訳ありません。PC-88時代のファンの間ではIの神殿と、IIのムーンドリアの廃墟が同じ建物と
思っている人が一定の割合でいるように思います。

参考サイト:http://terminal2.web.fc2.com/lken1.htm

このお話を聞かれたことはありますか?
| KO-1 | EMAIL | URL | 17/11/25 14:05 | brIhHgZE |
これはまたスゴイ資料が協会のもとに来そうで、ありがとうございます。
ルドン理事長も喜びます。
| MadDoc | EMAIL | URL | 17/11/23 22:25 | nzeRNlJA |
アステカ2と聞いて最初に思い出すのはミホちゃんの存在だと言うやつがゴマンといるはず
あれはどなたの絵で会社はその存在を知っていたのだろうか?
ゼビウスの遠藤雅伸よろしく会社に内緒で入れたものなのだろうか?(あっちはバレてたけど)
とても気になります
| 通りすがり | EMAIL | URL | 17/11/21 17:40 | iejbKtDQ |
そういうことっだったのですね。
このエッセイの頃はまだ開発時から年月が経っていませんから「もう時効だから」的に何でもぶっちゃけられるワケでもなかったのでしょうね。
お答えいただき、ありがとうございました<(_ _)>
| YMD | EMAIL | URL | 17/11/19 20:49 | NgT9rM8g |
ストレートに書くなら、これは当時脚色しています。
脚色した理由はわかりませんが、間違いありません。多分、何かを配慮したのだと思います。
以下理由です。
・そもそも山根が住んでいたのは荻窪

なので高円寺で待ち合わせるはずがないのです。
また、小峯君と待ち合わせて山根と会ったことは記憶ではありません。

・いないので小峯君に電話したら、ヤツが来なかった。

というのが覚えている限りでの流れです。
で、なにより「そもそもヤツが住んでいたのは荻窪」というので、これは何かに配慮してこう書いたのだと思います。
| いわさき | EMAIL | URL | 17/11/19 02:25 | 2W3RwCP. |
そういえば細かいことなのですが、『イースI・II製作メモ』では岩崎さんと山根さんとの初対面は「荻窪駅で待ち合わせて山根さんの自宅へ」となっていますが、岩崎さんの昔のエッセイ(インターネットアーカイブで発掘しましたw)では「高円寺駅で待ち合わせて喫茶店へ」となっています。

http://web.archive.org/web/19970804223258/http://www.fit.ac.jp:80/~s9591055/pce/iwasaki/kaihatu2.html

これはやっぱり年月の経過で記憶がすり替わったというところなのでしょうか。
| YMD | EMAIL | URL | 17/11/19 01:14 | NgT9rM8g |
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