CALENDAR
S M T W T F S
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31       
<<  2024 - 03  >>

PROFILE
同人誌 電子書籍版
Re:ゼロから始める
ゲームシナリオ


ライトニング伝説


さよならハドソン


ドラクエとFFと
ToHeart


誰得ゲームライフ


ときめきメモリアル
の時代

イースI・II製作メモ

頒布ページ
LINKS
NEW ENTRIES
CATEGORIES
COMMENTS
    イースⅠ・Ⅱ通史(3):『リグラス』から『ロマンシア』
  • タムロ (02/03)
    イースⅠ・Ⅱ通史(1):PC88MkⅡSRの発売
  • tamuro (01/05)
  • おお! (01/03)
TRACBACKS
OTHERS
SEARCH BOX
POWERED BY
POWERED BY
ぶろぐん
DESIGN BY
ブログンサポート

ゲームをデザインする、ということ
これは自分がうまく説明できなかったことを言語化する試みとして書いている。

ゲームをデザインするってのはどういうことなのか?
もともとはゲームを作るときに必要な組織や人の話をしていたのだけど、そのとき、例に挙げた話がこんな感じだった。

例えばゲームを面白くデザインすることはできるけれど、ポカが多くて細かいところを考えるのが苦手なゲームデザイナーってのがいます。だから彼だけではゲームを作る(デザインする)ことは出来ない。画面遷移が破綻してたり、変な所がダメだったりする。そういうことを穴埋めするために、横にそういうのを埋められる人間が必要なんです。

話の相手はゲーム制作についてはほぼ素人で、僕の説明を聞いてゲームデザイナーとは家の設計図を書く人で、横にいるのが設計図の手直ししたり、大工に話をしたりして実装をするときに必要な人(インターフェース)と理解していた。

若干の補足をすると、これは若いゲームデザイナーがメインになったとき、どんな人がチームとして必要なのかの説明で、経験を積んだゲームデザイナー(海外的表現をするなら"well experienced")ならば、前述した2つを備えてるので作業量の問題はともかく、一人で前述した2つの役割を果たすことになる。
だけど若い時はたいていそうはいかないので、若いゲームザイナーをトップに据えるときは、横に経験豊富な誰かがいたほうがいいので、こんな説明をしていたわけだ。


そして前述した理解は確かに正しいのだけど、反面、違和感もあった。

確かにゲームをデザインするのは家の設計図を書くのに近いと思う。
だけどそれはゲームが具体化していくプロセスで、僕に言わせるとそこは既に作業の部分なのだ。

ゲームをデザインするプロセスには、少なくとも僕の場合にはこの手前があって、そしてプロのゲームデザイナーになるためには、そこが一番重要で、他はみんななんとかなると思っている。
それはなにかというとこのゲームは<自分がターゲットとしている人>が面白いと感じるはずだという確信を持てる、たいていの場合にはキーになるメカニクスをつかみ出す能力…つまりコンセプト(アイディア)を得て、それを検討し、これはターゲットにとって面白くなると確信を持てる能力だ(ついでに書けば、この段階でこのメカニクスがゲームとして商売になるかどうかまで見えないとマズいけど)。

一昔前の説明をするならアイディアということになるが、いまどきのゲーム、アイディアの一言で説明出来るほど単純ではないことが多い。
だいたいアイディアという言葉を使うと、思いつけば勝ち的な安易なイメージが出てくるので使いたくない。確かに思いつけないと話にならないのだけど、その思いつくこと自体が複雑だったりするのだ。もちろん、複雑なのは作り手にとってで、遊ぶ側にはそんなもの見えたら話にならないのだけど。
これをtwitter友だちの @itohtakさんは「何をデザインするのか?」と表現した。
実にうまい表現だ。

僕が買っている若手のゲームデザイナーが何人かいるのだけど、彼らはみんなこれができる(海外・国内それぞれ数人いて、彼らが新作を出すのをいつでも楽しみにしている。)。
「Aって誰でもできるルールじゃないですか。Aをこうしたら面白くなると思うんですよ」とか「このXXってゲームのこれって、こうすりゃ面白くなると思うんですよ」とか、ともかく面白さをつかみ出し、それが自分たちが今回ターゲットにしなければいけない人間が面白いと感じるように作れると確信出来る能力だ。

最近だと、ぶっちぎりでこの才能があると思ったやつが @akisutesama だったりするけど。口の悪さも天下一品で、どうしてここまでこいつは口が悪いのかと思うわけだけど。

では、この面白さを確信する能力(何をデザインするのかを決められる能力とも言い換えられるだろう)はなんなのかというと、2つの要素から出来上がっていると、僕は思っている。

1)ゲームに対する知識
素人のほうが良いゲームを作れるなんてことは基本ない。奇跡はあるかもしれないが、奇跡は奇跡でしかない。たくさんモノを見ているから、使えるか使えないかの判断ができるし、使える様々なパターンやノウハウがあるのだ。あとゲームの世界は恐ろしく変化が早いので、過去のゲームしかプレイしてないゲームデザイナーは基本的に信じてはいけない。

2)想像力
そのゲームが(理想的な)ゲームバランスで完成した時、ユーザーがどのように遊んで、面白く感じてくれるのかを想像出来る力。

そしてこの2つの能力を持つゲームデザイナーが「これって面白いと思うんですよ」といって、unityで書かれたプリプロが出てきたり、テキストが並んだり、身振り手振りで説明されたとき、言っている意味を確認して、それが本当にうまく面白く機能するのかを自分の観点から確認して、頭のなかで想像出来て、初めてゲームデザイナー同士で、そのイメージが共有できて、ゲームを作る方向に進んでいける。

つまり一番最初の部分を説明すると、なんらかのゲームを思いついて、完成したゲームをターゲットユーザーがプレイすることを想像し、そしてこれを(独善的に)面白いと確信し、その面白さを人に説明して共有するプロセスなわけだ。

この出来上がったゲームを想像する力はゲームデザイナーにとって、最も重要な能力だと思っているのだけど、どういうわけか、これは持っている人と持っていない人がはっきりいる。

そして、そういう人に決定権があると、プリプロの想像力が必要な段階で「これは面白くない」とか想像力のない主張をはじめ、ビックリするような仕様変更を要求し、ゲームを壊すのである。
そこのあなた、経験ありませんか?

Twitterで聞かれたので少し付け加えておくと、個人的にはこれを生来のものとは思っていない。訓練で手に入れられるもので、また訓練を維持しなければなくなるものでもあると思っている。
また島国さんが言っていたが、決定権を持つヤツがこれなうえに、ゲームを知らなかったりすると最悪だ。
|| 22:08 | comments (0) | trackback (0) | ||

このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント
この記事のトラックバックURL :
トラックバック