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驚きのリニューアル作品、ドラクエVーPS2版
これは『電撃王』や『電撃プレイステーション』に載せていたコラムの中で思い入れが深いものや、付け加えをして今出すと面白いと思ったものをアップトゥデートして載せていくシリーズ。
今回は2004年の電撃プレイステーションに載せたコラム。
誰得ゲームライフでドラクエを取り上げたので、ちょっとそれを記念して、載せておきたい。

■■■

ゲームの世界では「移植」や「リメイク」と言ったことが、普通の映画やテレビよりも頻繁に行われる。理由は簡単で、昔のゲームは昔のハードで動く…すなわち、今はソフトも手に入らなければハードも手に入らない「幻の作品」になってしまうからだ。
この移植が行われる際には、当たり前ながらいくつかの方法がある。
まず誰でも思いつくのが基本的にはオリジナルのままで、資料的などを充実させる。「ナムコミュージアム」が典型例で、古いアーケードゲームに非常に多い形式だ。
もう一つがアレンジ版のゲームと、移植そのままのゲームの2種類のゲームを楽しめる方式。「ザナック×ザナック」や「ファミコンミニ(これはGBAだが)」など一昔前の家庭用ゲームマシンのシューティングやアクションのリメイクに多い。
そして最後が、色々な物を今風にして、全面的に作り直してリニューアルする、いわば文字通りの「リメイク」だ。例えば、ドラクエIVがそうだし、ワンダースワン版の「FF」、「FFII」もそう。そして今回取りあげる「ドラクエV」もそうだ。
この「今風にするリメイク」はRPGに大変多いわけだが、それも当たり前の話で、日本のRPGは「ゲームでストーリーを語る媒体」として発達してきた要素が非常に強く、常に「そのときのハードウェアで可能な限りの演出」が行われてきた経緯がある(FFはその代表格である)。
つまり、昔プレイした人たちにとっては「凄い演出の凄いゲーム」であったことが多いのだ。だが、過去のハードウェアでの演出など、今のマシンのレベルからすると、ゴミのようなもの。言い換えるなら、そのままの移植をすると「ショボイ」。
つまり、そのまま移植すると、知っているユーザーには「思い出が壊されたような気持ち」になり、新しいユーザーには「ただのヘボなゲーム」である可能性が高いわけだ。
(では、どうしてアーケードはそういう移植が行われることが少ないのかというと、これが資料的な意味なども含むからだ)
だから、RPGは「今風にアレンジして移植する」事が多いわけだ。

2004年のコラムで、当時は今ほどリメイクがされたなかったので挙げているタイトルが少ないw


と、大ざっぱに「昔のゲームの移植」の話をしたところで、本題の『ドラクエV』の話なのだが、これも「今風アレンジ」されている作品で、『ドラクエIV』の移植の流れを汲んでいるわけだが、そのレベルは全くハンパではない。
正直「移植とかリメイクではなく、全くの新作と呼んでいいのではなかろうか」と思うほどの変更ぶり…というか、大筋のシナリオ以外同じ所を探す方が難しいほどだ。

まずワールドマップ。
ゲーム進行とも関わるので、さすがに形状自体はメインマップは同じだが、全てポリゴン化され、なおかつ世界が球面に見えるようになり、建物なども立体的に見え、歩くに従って、遠くの街や村が地平線の彼方から見えてくる…なんとも素晴らしい。
FFVIIのワールドマップも驚いたが、今回のドラクエVのワールドマップも時間の移り変わりに従う色の変化や、ある種のミニチュア感覚は、FFVIIを越える驚きと言っても過言ではないと思う。
またワールドマップも『ドラクエV』では実は3枚あり、そのうち2枚はかなりの変更が加えられている。さらに言うと1枚は実質的に全く新規のワールドマップになっており、実質的に形状が同じワールドマップはメインのマップだけというすごさだ。
と、これだけでもかなり驚きだが、もっと驚きは『ドラクエ』で一番見る時間が長いであろう、戦闘画面だ。
『ドラクエV』の戦闘は、今ではほとんどない対面・ターン方式で、パーティメンバーが直接画面に出ないこともあって、ダイナミックに見せることが非常に難しいわけだが、今回の移植では、全ての敵キャラをポリゴン化して、およそあらゆる動きをアニメーションするのに加えて、「カメラが敵の数や自分の使った魔法に応じて、近づいたり離れたりする」事で、ダイナミックに見せることに成功している。
しかもアニメをすると戦闘が遅くなるのが通例なのだが、様々な動きやエフェクトを重ねて行くことで、戦闘全体の速度を上げることにまで成功しているのだ。
正直、ほぼ10年前に発売された対面戦闘のシステムとは思えない洗練ぶりで、全く驚いてしまったのだが、この移植、その程度では済んでいないのだ。

オリジナルのFC・SFC版のドラクエは当然2Dで、そして、これまでのPSでのドラクエはドラクエVII・IVのどちらもキャラクターは3D化されていなかった(敵も含めて)。
だからイベントシーンでキャラが細かく演技することはなかったし、アングルも固定に近く、オリジナル版のFC・SFCとあまりイメージの変わらないものだったのだ。

これは2004年のコラムで、ドラクエⅧはまだ発売されていない。そしてPSで発売されていたのは、どちらもPS1時代のⅦとⅣということになる。なのでカメラの回転は出来たし、ある程度距離を離れさせることも出来たけれど、ダイナミックにカメラを動かしたりしたことはなかったし、キャラクタの演技もとても控えめだった。

ところがドラクエVでは、マップだけではなく、キャラクタまで全て3D化されたおかげで、キャラクタが自由に演技し、カメラアングルも自由。全く印象の違うイベントシーンになっている。特に子供時代のラスト、父と別れるシーンなど必見の完成度と言ってもいいほどだ。

だが、本当にドラクエVで凄いところは、グラフィックやサウンドではない。
実はゲームバランスなのだ。

オリジナルのドラクエVはパーティの最大人数は3人だが移植版は4人。すなわち、ボスまで含めて全部のバランスを完全に取り直して作られているのは明白なのだ。
バランスの取り直しというのは、当然非常に手間のかかる作業で、移植をするときは一番避けたいことの一つのはずなわけだが、また反面、これは強い要望であったのだろうとも思う。
というのも、オリジナルのSFC版のドラクエVでは一緒に歩ける仲間が2人で、未プレイの人のために詳しくは伏せておくが、後半戦のパーティでは、実質的に自分以外のメンバーが固定に近くなってしまうために「モンスターが仲間になるシステム」が、そこまでの「つなぎ」でしかない印象が強かった。
しかも、その固定に近いパーティも一人入れることが出来ず、非常に不満のたまるシステムだったのだ(ネタバレしたくないので非常に曖昧な書き方で申し訳ないが、4人パーティになると、入れたいメンバーが全員入ったパーティを作ることが出来るのだ)。
だから手直ししたのだろうと思うが、これは全くのバランスの取り直しなわけで、それを手間を惜しまず、正直、良くこんな面倒なことをスタッフはやったなと思う。

と、そんなわけで、まさに褒めてばかりのドラクエVだが、いくつかの問題点もある。

まず絶賛したワールドマップだが、球面状に見せたために、見える範囲が非常に狭くなってしまい、地形を覚えるまでは、たびたび地図を確認するハメになる。
考えようによっては迷いやすさも、見知らぬ土地を旅するイメージがあっていいわけだが、やはり何か一工夫は欲しかったところだ。

そして、なにより問題はサウンドだ。
といっても、曲が悪いわけではなく、効果音が悪いのでもない。
今回、曲がオーケストラの演奏になった結果として、伝統的な電子音的な効果音と、どうにもバランスが取れていないのだ。
そのバランスを調整するために両者それぞれのボリュームが調整出来るようになっているわけだが、オーケストラサウンドは良くも悪くも非常にニュアンスに富んでおり曲の中でボリュームが大きく変わる。結果として、どうバランスを調整しても、ピンと来る音のバランスになってくれない。
贅沢な文句ではあるが、効果音の調整をもう少し細かく、例えば戦闘の効果音・ファンファーレといった具合に分けられるとかなっていた方が良かったと思う。
と、最後にちょっとした(だが気になる)事も書いたが、ドラクエVは「ほとんど完全な新作」と言って間違いがなく、昔プレイした人にも、今初めてプレイする人にも勧められる素晴らしいゲームだ。
時間を作ってプレイするだけの価値がある作品だと、お勧めしておきたい。

■■■

最初に書いたとおり、この記事は『誰得ゲームライフ』でドラクエⅦ(に合わせて1-6)を収録していたので、ちょっと載せておきたくなったので、ここに掲載するのである。
ちなみにドラクエⅤは本当に好きなゲームで、それのせいでドラクエⅥが結構評価厳しめになってたりしてた。人間、好きすぎると良くないなあと思ってしまった。
あと、今プレイするならDS版なんだけど、ゲームの出来としては個人的にはDS版よりもPS2版のがやや上なんだよね…
|| 22:43 | comments (1) | trackback (0) | ||

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コメント
そういえばPTが4人になってましたね。
家族全員でPTを組むことが出来て嬉しかった記憶があります。
あとはキャラポリのデキがもっと良かったら…(泣)
| TT | EMAIL | URL | 12/11/17 14:12 | pndOuro. |
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