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左利きにとっての3DSの恐怖
5年ほど前、DSが発売された直後、電撃PSで下のようなコラムを書いた。

DSを触って左利きの思ったこと
 年末から年始にかけて、ご多分に漏れず僕もゲーム三昧で、年末は仕事が忙しくて、最近はあまりプレイ出来なかったFFやったり、まあ年末に出たゲームを遊んでいたのだが、その中にはDSのゲームがある。
 このDSというゲームマシン、個人的には大変に気に入っている。
 少々大きいと思うし、デザインもちょっと安っぽいと、まあ気に入らないところもあるが、タッチスクリーンの楽しさは今までにない感覚で、大変に面白いと思う。(現在での注:初代DSの話)
 個人的には『君のためなら死ねる』が実にバカらしいノリで、そこはかとなくエッチで、大変に気に入っているのだが、実は、この気に入ったソフトのある、気に入ったマシン、DSを…買おうかどうしようかずいぶん迷っていたのだ。
 というのも「DSは果たして左利きの事も考えて作ってあるのか?」が分からなかったからだ。まあ、こんな事が気になるのは、何を隠そう僕は左利きで、そしてずいぶんと左利きであることで不便を強いられてきたからだ。
 例えば、漢字の書き順は右利きの人には、いくつかの特殊な例外を除けば自然な流れで覚えられる物だが、左利きにとっては「不自然であろうと意図的に覚える」しかない代物だし、ハサミは恐ろしく使いにくいし、ドアはとんでもなく開けにくい。
 携帯電話のサイドのボタンは必ず押しにくい側についているし、片手で操作出来るのが売りのコントローラは、必ずおっそろしく使いにくくて話にならない。電車の自動改札機、定期の出し入れや、財布、およそあらゆる物が、この世の中では基本的には(圧倒的多数の)右利き用に出来ており、たまに左利き用の物があれば、それは珍しくて手に入りにくかったり、高かったり、実に不便な物なのだ。
 そんな左利きには冷たい世の中で、ゲームマシンは珍しく左利きにも優しい物だったが、そこに登場したのがDS。タッチパネルとペンが売りのゲームマシン! 「これじゃ左利きはプレイ出来ないよ」とボヤきたくなるゲームが連発されるのではなかろうか…と、買おうかどうしようか、迷っていたわけだ。
 実際のところはどうだったのかというと、少なくとも、今のところはDSは左利きに不便に出来ている気配はあまりない。あえていうなら、DSを初めて起動したときに見る設定画面が左利きには左手が画面に重なってしまうために妙に見づらい…ぐらいの物だろうか。
 これまた、考えてみれば、今のDSの立ち上げ時には、少なくとも当たり前の話で、現時点ではDSは、ウリになっているタブレットペンとタッチスクリーンをフルに使うゲームが多い。
 言い換えるなら、タッチスクリーンの全面をこすったり、叩いたりするゲームが多く、しかもその結果は上画面に出ることが多いので、あまり左利きも右利きも関係なく遊べるわけだ。
 そんなわけで、現時点では左利きにも(笑)お勧めの新しい楽しみのあるゲームマシン、DSなわけだが、本当にメーカーにお願いしたいと思うが、タブレットを使うゲームは、ボタンや方向キーを使わずにプレイ出来るようにして欲しい。
 特に方向キーを使われると、実質左利きにはプレイ出来ないゲームが出来上がってしまうので、プレイしていていらつくのは間違いないから、少なくとも方向キーとタブレットペンを同時に使うのは、絶対に避けて欲しいなあと思う。
(後略)

というわけで、一安心した5年前だったが…このあとどうなったのかというと、残念なことに、DSは左利きにとって、どんどん遊びにくいゲームマシンになっていった。
左利きは世の中ではマイノリティなので、左利き対応は「あーそういうのもあったよね」程度になっていった。ついでに書くと、WiiでもMoveでも左利きのことはケッコー考えられてない。
これは全くしょうがないと思っている。だいたい世の中の人は左利きのことなんて考えてない。それにゲームマシン特有のパフォーマンスの問題もある。左利き対応の処理は結構特殊だし、描画ルーチンやUIの奥に入り込む面倒な代物だ。脳トレブームの時代なら、DSのパフォーマンスでも考慮可能だったろうが、今のゲームでは左利き対応をする余裕がなくなってしまうのは仕方ない。

でもだ。
そのため、DSのゲームをプレイしていて、左利きがイラっとする瞬間が、はっきりあるのは事実だ。

縦持ちのソフトでは、ペンを持った左手が左のスクリーンの上を覆うので、右のスクリーンにタッチするとき、左のスクリーンは全く見えなくなる。だからラブプラスなんかキスするとき左側のハートゲージは全く見えないし、タイミングよくセリフボタンを押すのはかなり厳しい。勉強会で答えをタッチするときには確認して慎重に押さないと答えが見えないのでとても怖い。(ま、最近のゲームは縦持ちはほとんどないけれど)。
横持ちでも、タッチスクリーンの右側にボタンが置かれると、左手がタッチスクリーンを覆い、何をしているのかさっぱりわからなくなる。正直、イラっとくる瞬間だ。
これが昔の左利きまで考慮に入れた時代の作品なら、縦持ちでは上下を反転して、左側がタッチスクリーンになる仕掛けが用意されていたし、横持ちでもメニューの位置が調整された左利き用が用意されていたが、今日では残念なことにマシンに余裕はないし「プレイできないわけではない」のだから、リソースの観点から見ても、左利き対応は忘れる判断の方が正しいのは明らかだ。

でも、DSはまだ良かった。たいていのコントロールは方向キーとボタンで代用が利いたし、代用が利かない場合でも、ちょっと見にくい程度で済んだからだ。
今、僕にとって本当に怖いのは3DSだ。
3DSは左側にスライドパッドがあり、これは右側にはないインターフェースだから、絶対に代替が効かない。言い換えるとスライドパッドを使って、かつペンを使うゲームがあると、それは「左手でスライドパッドを使い、右手でタッチペンを持つ」のを実質強制される。
これは、文字を左手で書く左利きにとっては耐え難い操作系と言わざるを得ない。
ゲームデベロッパーは、左利きのことも考慮して、それは止めておいて欲しいと思うし、出来れば、任天堂には、規定でスライドパッドとタッチペンは同時に使ってはいけない、としておいて欲しいと、本気で思っているのだった。

|| 19:52 | comments (9) | trackback (0) | △ ||

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