CDオーディオがゲームで初めて鳴った時

1988年にハドソンに行ったとき、PCエンジンのCDROMのBIOSのプログラム書いたり、PCエンジンのROMゲーム(デビュー作だよ!)『凄ノ王伝説』作ったり、他のゲームのデバッグ手伝ったりと、まあ仕事を満喫していた。
ついでに書けば、気が向けば平気で12時間以上プログラムしてたりとか、メチャクチャな勤務だったわけだけど、まあそんなのは若気の至りってヤツだ。
このころ、アルファシステムの連中は僕と一緒に『凄ノ王伝説』作りながら、他に『ファイティングストリート』と『No・Ri・Ko』も作っていたんだけど、もちろん、この2つはCDROMのゲームで、ほとんどコンソール史上初めてのCDROMゲームだった。
もちろんこの2作もCDDA(CDオーディオのこと)がゲームミュージックに使われるのは決まっていた。
そして、本当にCDROMに感動した瞬間は『ファイティングストリート』に曲がついた瞬間だった。
曲がテープを経由して、CDROMエミュレータに突っ込まれ、
「岩崎さん、CDの曲が鳴るよ!」
とか言われて「ホントホント!? 見る見る」とか、興味津々で見に行って(と言っても、横3メートルほどのところで作ってたわけだけど)、目の前で『ファイティングストリート』の曲がCDDAで鳴った瞬間、本当に感動した。
もちろん、頭のなかで「CDDAが鳴る」ことはわかっていたし、そういうクオリティのゲームを見たことはあった。例えばレーザーディスクゲームはCDDAと同じようなクオリティのサウンドは鳴ったし、喋ってもいた。でもだ。目の前で「家庭用ゲームマシン」から、その音が出るスゴサってのは、筆舌に尽くしがたいものがあった。
なんせそれまではせいぜいFM音源で感動していたレベルだった。
それがいきなりCDDAになったのはジャンプしたなんてもんじゃなくて、別次元に飛び込んだ感じだった。そして、CDDAはCDROMの絶対的な武器で絶対に使うべきだと確信した瞬間でもあった。
長くゲームと関係してきて、これと同じぐらいインパクトがあったときっていうと、スペースハリアー見たとか、PS1でリッジレーサーが動くのを初めてみたとか、ホントそういう数えられるほどしかない瞬間だったと思う。
25年も昔の話だけど、やっぱり歴史が変わった瞬間だったよなあと思うのだった。

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4件のコメント

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     初代TOWNS発売時のアフターバナーオープニングのCD-DAの感激は忘れられせん。(それから1分後のF14の動きに失望も忘れられません)

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    CD-ROM2の登場は本当に画期的でしたね。
    私はイースI・IIの音楽が良すぎてレベル上げの途中で手を止めて暫く音楽に浸る事がよくありました。
    あと、CDプレイヤーで音楽を聴いたりもしてました。

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     僕の場合、ゲームテクノロジーでびっくりしたのは、初めて、セガマーク3でFMパックを鳴らしたときとか、PCエンジンを買ってビックリマン(モンスターランド)やR-TYPEをプレイしたときでしょうかね。CDの音に関しては、なぜか気持ちが冷めてまして、あっ鳴ってると普通に思ってました。それ以前にSNKさんのサイコソルジャーでROMから流してた生歌を聴いてたからかもしれません。

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    ファイティングストリートをプレイして思ったのは「音に関してはACを超えた!」だった記憶があります。
    当時はまだ近所のゲーセンに行けばストリートファイター1がありましたので、PCエンジン版との違い(レスポンスとか背景の2重スクロールとか)を比べたりしてました。

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