2011-01-08 Sat [ 昔のこと::古の技術 ]
今回のネタは、本当のパソコン黎明期といっていい1981年に、いかにしてクロマキーペイント(タイルペイント/タイル)が登場したか? の物語だ。
ここで先に原理的な解説を。しないと絶対にこの話は分からないので。
遥か遠い昔…およそ30年ほど前、黎明期のパソコンはたいてい数色しか色を表示出来なかった。
例えばパソコン界のキャデラックと言われたAPPLEIIですら40x48の16色グラフィックスか、280x192で4色(のちに6色に改良された)グラフィックス程度のものだった。
これらの数色の組み合わせで標準的になったのが8色カラー。PC-8001で初登場したと思うが、以後、10年以上に渡り色表現のデファクトスタンダードとして君臨した、後にデジタルカラーと呼ばれる8色だ。
ビット表現だと下位からBーRーGと並んでいる3ビット表現のカラーコードで、今風のRGBの表現で言うと0か255しかない原色バリバリの8色。
ちなみにこの色コードのビットがB-R-Gと並んでいるのにも意味がある。輝度への寄与は大雑把に青=10%、赤=30%、緑=60%になるので、BRGという順は輝度への寄与の昇順で、白黒のモニタに繋ぐとカラーコードそのままで黒から白に明るくなるメリットがある。そして当時は白黒のモニタが普通にあったので、このような配慮はとても重要だった。これをRGBで並べると、白黒のグラデーションがガタガタになってしまう。少ないリソースでうまくいろいろやりくりするための先人の知恵だ。
この8色は固定の原色でカラーパレットもなく中間色もない。だからごくごく初期のアドベンチャゲームでは人は黄色で塗られていたし、キャラクタも全て原色で書かれていた。これに革命を起こしたのがタイルによる中間色表現だ。
インターネットを探しても、貧乏人のためのCG講座ぐらいにしか資料の残っていない古びた知識だが、一定以上の解像度で隣り合った2つの色が人間の目では混ざって見えて中間色に見える、結果最大デジタル8色でも、組み合わせで8x7=56色の中間色が表現できる! というのがタイルもしくはクロマキーの基本的な考え方だ。マンガのスクリーントーンのような考え方だ、と書けば、分かる人が少しは増えるかも知れない。
左のパターンが典型的な例。貼ったタイルパターンがなぜやや暗い緑がかった黄色に見えるのかを説明すると、これは2ドットのタイルで赤・緑で表現されている。赤+緑は黄色だが、2ドットなので(2倍の広さで同じ明るさを表現していることになるから)実際の黄色の半分の輝度に大雑把になる。だからやや暗い黄色に見えるわけだ。なお貼ったパターンは貧乏人のためのCG講座からもらってきている。
実際には、市松模様と縦に真っ直ぐ並べるパターンで表現力はさらに強化できるし、当時はこれをも拡張した2x2タイルや3x2タイルも使っていたので、表現力がもう少しあった。
なお、僕の知る限りで最強のドット絵師の一人、山根ともおなどはタイルを「5445」だの数字で表現してしゃべっていて、しかもこれが当時の(少なくともファルコムの)アーティスト間では十分に普通に通じる言葉になっていたらしい。
いずれにしてもタイリングによる中間色はパレットのない固定された少ない色数で表現するための技術でしかなかった。だからWindows95が登場して256色が当たり前になった90年代半ばから、急速に廃れていき、2000年過ぎには完全に過去の遺物となった。(ちなみにディザリング、という形で今でもわずかに残っているが、これはアーティストの作る中間色タイルとは違うので、別物として取り扱いたい)
まあ固定された原色で中間色を表現するために、タイルを使った中間色表現なんてヘボなものが1990年代半ばまでは普通にあったのだと、まず理解しておいて欲しい。
そして本題は1981年から始まる。
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ここで先に原理的な解説を。しないと絶対にこの話は分からないので。
遥か遠い昔…およそ30年ほど前、黎明期のパソコンはたいてい数色しか色を表示出来なかった。
例えばパソコン界のキャデラックと言われたAPPLEIIですら40x48の16色グラフィックスか、280x192で4色(のちに6色に改良された)グラフィックス程度のものだった。
これらの数色の組み合わせで標準的になったのが8色カラー。PC-8001で初登場したと思うが、以後、10年以上に渡り色表現のデファクトスタンダードとして君臨した、後にデジタルカラーと呼ばれる8色だ。
| カラーコード | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 色 | ■黒 | ■青 | ■赤 | ■紫 | ■緑 | ■水 | ■黄 | ■白 |
| 輝度 | ■黒 | ■10% | ■30% | ■40% | ■60% | ■70% | ■90% | ■白 |
ビット表現だと下位からBーRーGと並んでいる3ビット表現のカラーコードで、今風のRGBの表現で言うと0か255しかない原色バリバリの8色。
ちなみにこの色コードのビットがB-R-Gと並んでいるのにも意味がある。輝度への寄与は大雑把に青=10%、赤=30%、緑=60%になるので、BRGという順は輝度への寄与の昇順で、白黒のモニタに繋ぐとカラーコードそのままで黒から白に明るくなるメリットがある。そして当時は白黒のモニタが普通にあったので、このような配慮はとても重要だった。これをRGBで並べると、白黒のグラデーションがガタガタになってしまう。少ないリソースでうまくいろいろやりくりするための先人の知恵だ。
【注】カラーモニタで高性能なものは、当時高価だった本体よりさらに高価な本当の高嶺の花だった。例に出ているPC-8001など本体はRAM16キロ版は168000円だったが、専用の安い方の12インチカラーモニタで188000円、高解像度カラーモニターはなんと298000円だった。全く馬鹿高くて話にならない代物だったわけだ。これがものすごい勢いで値下がりしていくことになるが、それはまた別の話だ。
■追記
輝度に変換したものを追加して並べておいた。青=10%,赤=30%、緑=60%で、実際どのようにグラデーションになるのか分かるようにした。
■追記
輝度に変換したものを追加して並べておいた。青=10%,赤=30%、緑=60%で、実際どのようにグラデーションになるのか分かるようにした。
この8色は固定の原色でカラーパレットもなく中間色もない。だからごくごく初期のアドベンチャゲームでは人は黄色で塗られていたし、キャラクタも全て原色で書かれていた。これに革命を起こしたのがタイルによる中間色表現だ。
インターネットを探しても、貧乏人のためのCG講座ぐらいにしか資料の残っていない古びた知識だが、一定以上の解像度で隣り合った2つの色が人間の目では混ざって見えて中間色に見える、結果最大デジタル8色でも、組み合わせで8x7=56色の中間色が表現できる! というのがタイルもしくはクロマキーの基本的な考え方だ。マンガのスクリーントーンのような考え方だ、と書けば、分かる人が少しは増えるかも知れない。
左のパターンが典型的な例。貼ったタイルパターンがなぜやや暗い緑がかった黄色に見えるのかを説明すると、これは2ドットのタイルで赤・緑で表現されている。赤+緑は黄色だが、2ドットなので(2倍の広さで同じ明るさを表現していることになるから)実際の黄色の半分の輝度に大雑把になる。だからやや暗い黄色に見えるわけだ。なお貼ったパターンは貧乏人のためのCG講座からもらってきている。実際には、市松模様と縦に真っ直ぐ並べるパターンで表現力はさらに強化できるし、当時はこれをも拡張した2x2タイルや3x2タイルも使っていたので、表現力がもう少しあった。
なお、僕の知る限りで最強のドット絵師の一人、山根ともおなどはタイルを「5445」だの数字で表現してしゃべっていて、しかもこれが当時の(少なくともファルコムの)アーティスト間では十分に普通に通じる言葉になっていたらしい。
いずれにしてもタイリングによる中間色はパレットのない固定された少ない色数で表現するための技術でしかなかった。だからWindows95が登場して256色が当たり前になった90年代半ばから、急速に廃れていき、2000年過ぎには完全に過去の遺物となった。(ちなみにディザリング、という形で今でもわずかに残っているが、これはアーティストの作る中間色タイルとは違うので、別物として取り扱いたい)
まあ固定された原色で中間色を表現するために、タイルを使った中間色表現なんてヘボなものが1990年代半ばまでは普通にあったのだと、まず理解しておいて欲しい。
そして本題は1981年から始まる。
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