PCエンジンCDROMと物品税

1988年の12月4日はPCエンジンCDROMの発売日だった。
さて。
PCエンジンCDROMは、PCエンジン本体、インターフェースユニット、CDROMの3つの部品として発売された。
当時は物品税と呼ばれる贅沢品にかかる税金があり、CDプレイヤーにはかかることになっていた。
だからインターフェースユニットとドライブを同梱すると、インターフェースユニットまで物品税がかかってしまうので、別売された。それぞれの値段は
- インターフェースユニット→27,000円
- CDROMドライブ→32,800円
- PCエンジン本体→24,800円
定価ベースでは、なんと84,600円という、超高額ゲームマシンだった。
これが89年4月に物品税が廃止され消費税が導入されることになり、インターフェースユニット+CDROMドライブとしてセットで57,300円で売られるようになる。
ここまでは誰でも…ではないだろうけれど、よく知られた話だと思う。
それでCDROMと物品税の関りはこれだけだと思っていたんだけど、32年経った発売日に、元ハドソンの荒井君がfacebookに「実はソフトも大変だったんですよ」という投稿をして、これがとんでもなく面白くて、しかも知られていなかったエピソードなので許可を得て、ここに転載しておきたい。なお、読みやすくするために句読点や読点を追加して、改行は調整させてもらっている。
昨日12/4日はPCエンジンのCD-ROMの発売日だったらしい。
…で、当時の記憶が蘇ったので、書いておく。
発売されたのは1988年。
当時は消費税(89/04/01施行)がなく、物品税なるものがあったのだ。
問題になったのは、CD-ROMソフトの方。
物品税はレコード(CDも含む)にも物品税がかかっていた。
当時、CD-ROMなんてデータを入れたものなんかなかった。
税務署にしてみれば、CD-ROMはCDなので、物品税がかかるだろうって理屈。
これはヤバイ!ってで知恵を絞る
…物品税は、贅沢品にかかったのですが、レコードやCDでも課税されないものがあったのです。
教育に配慮して児童向けの音楽や童謡は非課税。
昔、アニメLP(ガンダムとか)に「児童向け」って印刷があったのは、この理由、つまり非課税の印。
…で、CD-ROMは「児童向け」ですよって説明しに相模原の税務署に行ってきた。
相模原なのは、製造場所があったからだと思う。
開発機と「ファイティングストリート」「ビックリマン大辞界」を抱えて行って、CD-ROMは子供向けですよって、税務署の担当者の前でプレイした。
当時は、ゲームは子供のものって認識が高かったのと、翌春には、物品税が廃止になって、消費税になるのもあって、CD-ROMソフトは、物品税非課税になった…と云うお話。
岩崎さんの好きそうな話だなぁ
ハイ、大好きな話でした。
なので、ここに転載させてもらいましたw
ところでエアコミケ2で出す予定の『ハドソン伝説』ですが、せっかくファミコン篇とPCエンジン篇に分けようと決めたので、1984ー88年までのハドソンが内部で制作した全ソフトの開発中のエピソードを出来るだけ収録する本に方針を定めて書いてます。
30年以上前の話なので、さっぱりわからない(誰も覚えていない&本人連絡出来ない)のもあるんですが、まあわかる限りのことを書いています。
なぜ『桃太郎伝説』は「ふ」が最強パスワードなのか?
がわかるのはハドソン伝説だけ!
…とか、アホっぽいことを書いてみるw
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