イース通史(番外):ビジュアルという単語

もともとは『イース通史Ⅲ』を書くために資料を見ていてフッと気になったことだった。

それは「オープニングビジュアル」

当時のゲームマシンのデモは今でいうムービーではなく、リアルタイムレンダリングの方に近かったのだけど、まあもちろんそんな呼び方はされておらず、『イースⅠ・Ⅱ』を作っていたときは「ビジュアル」とか「ビジュアルシーン」とか呼んでいた。

でも僕が「ビジュアル」を1988年に使っていたかはわからなかった。
なんせ『凄ノ王伝説』のソレについては全く記憶になかったからだ。ソースがあればラベル名なりファイル名なりでわかったと思うけれど、残念ながらソースは残っていない。
ただ『イースⅠ・Ⅱ』のときには間違いなく「ビジュアル」とか「ビジュアルシーン」とか呼んでいたので、多分山根がそう呼んでいて、僕も呼ぶようになったが答えなのだろうと思った。

(多分)山根が使っていたことから、(多分)PCゲームから来た言葉だろうと思ったのだけど、ではいつごろから使われていたのか?
それが気になって調べだしたら、88年10月ごろの雑誌に「ビジュアルシーン」という表現があるを見つけたので、そのころには記事で普通に使われるぐらい普及した言葉になっていたと推測できた。
また93年の『イースⅣ』の記事でオープニングビジュアルと表現されていることから、全く当時は普通に使われていた単語だということもわかる

ただ、その来歴はわからず、気になってツイッターでポロっとつぶやいたところ「ビジュアル」とか「ビジュアルシーン」はどうやら1986-88年のPCゲームに端を発し、日本テレネットの『ヴァリス』の店頭デモにビジュアルシーンと書かれているので、このあたりが走りである可能性がとても高い、言い換えると86年後半のどこかで登場した単語の可能性が高いことがわかった。

で、さらに聞いていくと「テレネットならぴくせるさんならわかると思う」といわれ「な、なんだってー!?」…と、いうわけで聞いてみると…

https://twitter.com/pxtw/status/1224300108197425153

『FINAL ZONE』の開発中は「ストーリーシーン」とか「作戦シーン」とか定まっておらずその時々で呼称が変わり、そのためビジュアルという言葉も使っていたかと思います。しかし開発内部でも対外的にも、明確に「ヴィジュアル・シーン」という言葉が生まれ使われたのは『ヴァリス』からです。

https://twitter.com/pxtw/status/1224302367719346177

ヴァリスの開発初期ではFZの名残りもあって「ストーリーシーン」と呼んでいましたが、ハッキリ名称を付けたのはやはり広告用になんかカッコイイ名称が欲しいっていう要望があったというのもありますし、開発内部でも「もっと他の呼び方ないか」といつも言ってました;

https://twitter.com/pxtw/status/1224312851109576704

いまにして思えばそんな経緯になりますよね。当時はまだそいう言葉すらない時代でしたから、日々「アニメシーン」とか「ストーリーシーン」とか言いながら、やがてハッキリ名称を付けようという意識と共に、「ヴィジュアルシーン」という言葉が生まれてきたのかと思います。

というわけで結論が出た。

「ビジュアルシーン」という80-90年代に使われた、アニメーションシーンを指す単語は1986年12月に日本テレネットから発売された『夢幻戦士ヴァリス』で初めて使用された単語である。
(初出時、なぜか発売を87年10月と勘違いしていたので訂正)

この項目は出来れば補足などで入れたいと思っている。

イース通史・書店委託

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