Roe Adams IIIとSeer “Hawkwind”のこと

4gamerのWizardryは,連綿とつながる文化の鎖の1ピース――生みの親,狂王ことRobert Woodhead氏に聞く,その源流と80年代アニメの話で、ローアダムス(Roe Adams III)のことについて出ていたので、ちょっと自分の知っていることを記録として残しておきたい。
Roe Adams III は、『ウィザードリィIV』と『ウルティマIV』のシナリオを書いた、ゲーム史上不滅の天才シナリオライターだ。
およそ今のCRPGでの常識、町や村やいろんなところにいる人から話を聞いて、その話をつなぎ合わせると謎が解けるという構造そのものを”Ultima IV”で作ったのがRoe Adams なんだから、どんだけ偉いかわかろうというものだ。彼がいなくても同じような形式はできたと思うけれど、”Ultima IV”の卓越した構造がなかったら、シナリオ構造が一気に進歩することはなかったと思う。
ついでに書くと、彼はもう超越的な謎解きの天才で、”Dead Line”というゲームでとんでもない解法を見出してinfocomの連中をぶっ倒れさせたり、CGDC(GDCの前身)で”LOOM”を持ってきたブライアン・モリアーティの目の前で「面白い、面白い」といいながら、あっという間に解いて、会期じゅうぼやかせたりと、もうとんでもない逸話だらけのヤツだった。
そんな彼がエキスパート向けの難易度ってことで、好き放題に作った”Wizardry IV”だから、とんでもない謎を作っていて、しかもその謎が英語の構造に根差したナゾだったりしたものだから、故・多摩豊さんが翻訳するのに死ぬほど苦労した、って話をRoeと多摩さんからメシ食いながら聞けたのだから、僕は全く幸せだと思う。
と、それはともかくとして、アメリカ版のWikipediaにも、それどころかあらゆるサイトにどうやら書かれていないことで、知られていないらしい、自分の記憶に残っていることを一つ書いて、記録として残しておきたい。
Roe AdamsはUltima IVのシナリオを書いたとき、彼自身をひそかにゲーム内に登場させることにした。それがSeer(予言者) “Hawkwind”。
どうして”Roe Adams”ではなく”Hawkwind”だったのかというと、これは彼のD&Dのキャラクタから来ているんだ、と彼は言っていた。
20年以上前の自分の記憶だが、どこかで記録として残っていくように、ここに記録として残しておきたいと思うのである。
追記:
こういうことは書くものだと思った。ライターの西田宗千佳さんから、このようなフォローがありました。

追記その2:
BirdBard’s taleがらみで検索すると、チョロチョロ見つかるらしいです。
教えてくれた方のtweet
Bard’s だよ! はるか昔からずっとやってる間違いをまたやってしまった…

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1件のコメント

  • AGENT: Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1; WOW64; rv:45.0) Gecko/20100101 Firefox/45.0
    あの時代において、ロー・アダムス氏はホントに憧れのビッグネームでした。
    自分も運よくお会いする機会が持てましたが、まさかってマイナータイトルまで遊んでいたりして、本気で驚かされましたっけ。
    開発中のゲームを見て、「ベースボールなのにアメリカンフットボールみたいなタイトルだな」とか、「OH、ナチ・ターンク! HAHAHA」などと実に楽しそうだったことが印象に残っています。
    あと一点だけツッコミ、”Bard’s Tale”じゃないですかね?

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