PCエンジン 17 8月 2015 天外ⅡのCDROMはなぜ60分だったのか? Twitterでつぶやいた話をちょっとまとめて置いておく。 このカテゴリ、書いたの久しぶりだ。 『天外Ⅱ』の容量は60分で出来上がっているのだけど、どうして60分になったのかについては書いたことがなかったので、忘れないうちにメモしておく次第。 『イースⅠ・Ⅱ』を作ったころ、すなわち1989年ごろのC… 続きを読む
天外2開発記 24 3月 2013 1991年6月 仕様削減 「あーいいよ、季節のグラフィック削ろう。グラフィックはなくても成り立つんだよ」 市ヶ谷の天外2開発室で、開発のメインメンバーが集まって会議をしている中で、桝田さんが面倒くさそうに、少し投げやりな口調で言っていた。 僕は猛烈に機嫌が悪くなっていた。 山根がついにギブアップし、このままでは天外2のグラフ… 続きを読む
天外2開発記 16 1月 2013 天外2の復活する宝箱やフラグについて 最近(確か年末あたりだったような…)、ちょろっと聞かれたことで、天外2でどうして宝箱の中身が復活したり、砂に飲み込まれないように話しかけなかった村人も消えてしまうのか、について。 天外2のダンジョンやあちこちにある宝箱の中には「覚えているモノ」と覚えていないものがあったり、消えないように話かけなかっ… 続きを読む
天外2開発記 20 9月 2012 天外Ⅱの戦闘システムについて(3/終) 前回、「どうしてフェイズ戦闘システムだったのか?」という話を書いたけれど、少し付け加えておくことがある。 フェイズ型の戦闘の眷属の中で、ファミコン版FFシリーズはウィザードリィの要素や他にもいろいろ加えた結構複雑なシステムだった、ということ。 FF1では先頭から順に攻撃されやすいというルールが入って… 続きを読む
天外2開発記 17 9月 2012 天外Ⅱの戦闘システムについて(2) 説明を始めると深入りして、面倒くさいから書きたくなかったのに、コメントで書かれてしまった上に「どうしてウィザードリィやドラクエがそういうシステムなのか?」を知らない人も沢山いることが、ツイッターとか見ていてわかった。 しょうがないので、話を一度前に戻して「なぜ、フェイズシステムなのか?」を解説すると… 続きを読む
天外2開発記 15 9月 2012 天外Ⅱの戦闘システムについて(1) 天外Ⅱの戦闘は、忍者らホイから桝田さんが持ってきた天外1の魔法のバランスを僕が強く気に入っていたのと、桝田さんと僕のゲームバランスに対する思想が似ているという、この2つによって基本的な作りは出来上がっている。 だけど、もちろんそんな簡単なもので作れるものでもなく、それ以外にも王道であれだのなんだのと… 続きを読む
天外2開発記 9 9月 2012 天外IIのUIについて(2/終) 前回のにちょっと追記。 FFIVの大ヒットで「話す・調べるボタン」が確立したのは、全く疑いもない事実で、これ以降のRPGでは普通が「話す・調べるボタン」になっていく。 そして、それがデファクトスタンダードとして決定したと満天下に示したのがドラゴンクエストV(SFC/1992年9月)。 ドラゴンクエス… 続きを読む
天外2開発記 6 9月 2012 天外IIのUIについて(1) しばらく間が開いてしまったので、リハビリがてらに、前回の続きではないけれど、作っていた人間にとってはいろいろ思いで深い話などちょっと書いてみたい。 つーか、こんな風に落ち穂拾いしていかないと、なんだか粗筋だけの小説みたいになりそうな気がしたので、いろいろ書いていこうというわけ。 今回は、UI、ユーザ… 続きを読む
天外2開発記 5 6月 2012 1991年5月 巨大プロジェクト 1991年5月。 このころの天外Ⅱのコードを書く人間は、僕・長谷川君・藪の3人が、それぞれ「ビジュアル&コア」、「コア+メイン」、「戦闘+いろいろ」という構成でプログラムを組みつつ、外注のミューテックからきていたコード屋さん(二人)にivのスクリプトを頼むという構成になっていた。 つまり、コード屋は… 続きを読む
ゲーム史 11 5月 2012 1991年4月 ADPCMとデータ二重化 91年4月末、天外2の音声の録音が行われることになった。 そして、僕は台本の量を見てびっくりしていた。 なんせどう見ても数百ページはあったからだ。 天外2がテキストの量が多いのは分かっていたけれど、まさかこんなとんでもない量だとは想像もしていなかった。 「ねえ、荒井君…これってほとんどADPCMにな… 続きを読む