近くて遠い国、韓国
これはある雑誌のために連載される予定だった文だ。
ところが雑誌の企画自体が消えてしまう呆然の展開になってしまったために、宙に浮いてしまったので、もったいないから、これをblogにアップすることにした。
5回分ぐらいの文がたまっているので、それを今のデータに書き直しつつ、アップしていくつもり。
そのあと、どうするかはなーんも考えてない(笑)
ところで一応断っておくが、これは「僕が感じたり体験したりした韓国のゲーム事情」であり、他の人が感じることや、それとも韓国政府の統計や日本の統計などとは違ったりすることがあると思う。
興味ある人は続きをどうぞ。
もともと僕はゲームを作るためにメディアワークスに入った。
そして数本ゲームを作ったが、そのあと興味が「体験版入りディスクつきの雑誌」を作る方に移って、10年ぐらいディスクつきの雑誌のディスクを作りながら、コラムやらレビューやらをやっていた。
だけど、この数年、やっぱりゲームが作りたいなあと思うようになり、会社を辞めてフリーになってしまった。
どうせゲームを作るなら、未来はネットゲームにあると思っていて、そっちの方に進みたいと思っていたら、韓国でゲームの会社を立ち上げていた友達に誘われた。
で、韓国の会社なもんだから、僕は日本と韓国を行き来するようになり、なんだかんだで、韓国で韓国の人とゲームを作っているから、韓国のゲーム事情には詳しくなった。
だから、韓国の一般的なゲーム事情や、オンラインゲームの常識や、その他、いろいろな韓国にまつわる話をこれから書いていこうと思っているのだが(あと開発中のゲームが発表可能になったらそれも書きたいものだけど(笑))、これらの「常識」は日本とかけ離れていて、全く別物だ。
例えば韓国で「ゲーム」といえば、オンラインゲームで、パソコンゲームで、対戦もしくは協力もしくはMOもしくはMMO。
確かにコンソール(ゲームマシンのこと)もあるし、実際に韓国に普及しつつあるが(特にポータブル)、それでもゲームの主流はオンラインゲームで、パソコンゲームで、対戦もしくはMOもしくはMMOが主流だ。
そして、さらに対戦が中心であることから「プロのゲーマー」が存在し、ゲームをプレイする姿がインターネットとCATVで放映されているのが当たり前だ。
(後々書いていくが、このプロゲーマー達はFPSとRTSの2つのジャンルを中心にプレイしている)
しかも、そのオンラインゲームをPC房(日本で言うインターネットカフェのようなもの)でプレイするのが当たり前。
それどころか、親が子供をプロゲーマーにするためにPC房で後ろで子供のプレイを見ているのが「教育的に良くないのではないか?」とニュースになったりする。
…と、ここまで書いただけでも日本でゲームを遊んでいる身からすると信じられないような違いで「どうして?」と「?」の山になるだろう。
どうして隣の国なのに、こんなに違うのか?
その「どうして違ってしまったのか?」の歴史を知ってもらわなければ、韓国のゲーム事情は本当の意味で理解出来ないし(僕だってまだ理解出来てないのだろうが)、知っても結局は「表面的な理解」にとどまってしまう。
そこで最初の数回は「なぜ韓国はオンラインゲームがこれほど盛んになり、そしてコンソールは今まで全くといっていいほど普及しなかったのか?」について書いていきたいと思う。